研究課題/領域番号 |
19K20990
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補助金の研究課題番号 |
18H05798 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 千里金蘭大学 |
研究代表者 |
本宮 裕示郎 千里金蘭大学, 生活科学部, 助教 (30823116)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 教養概念 / 19世紀イギリス / 自由教育論争 / T. H. ハクスリー / M. アーノルド / 知性 / 道徳性 / 19世紀 / イギリス / 科学教育 / 文学教育 / リベラル・エデュケーション / T.H.ハクスリー |
研究開始時の研究の概要 |
イギリスでは、文学を通じて、教養が身につけられると伝統的に考えられてきた。しかし、19世紀に入ると、科学・技術の発展にともなって、科学の重要性を訴える声が高まり、教養を身につけるための教育内容について、文学教育を擁護する立場と科学教育を推進する立場の間で論争が繰り広げられた。本研究は、自由教育論争と呼ばれる一連の論争のなかで、科学教育推進派であるT. H. ハクスリーが説いた教養概念を、主な論争相手であるM. アーノルドや、同時代の主要な思想家であり自由教育論争の代表的な論者でもあるJ. S. ミルやJ. H. ニューマンらの教養概念との比較・検討から、その内実と意義を明らかにするものである。
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研究成果の概要 |
教養概念をめぐって、当時の知識人の間で重層的に展開された19世紀イギリスの自由教育論争で、科学教育を推進する立場にあったT. H. ハクスリーと、その主たる論争相手で文学教育を擁護する立場にあったM. アーノルドの自由教育論争における位置づけを「自由教育の理想的な教育内容は何か」、「自由教育は誰のための教育か」という2つの問いから検討した。検討の結果、J. H. ニューマンやJ. S. ミルなどの他の代表的な論者が「エリート教育としての新たな自由教育」を模索していたのに対して、ハクスリーとアーノルドは「エリート教育ではない新たな自由教育」を模索していたことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先行研究では、19世紀イギリスで起きた自由教育論争において、T. H. ハクスリーとM. アーノルドは、それぞれ科学教育と文学教育を象徴する人物とみなされ、程度の差こそあれ、両者の主張は対立するものと考えられてきた。しかし、本研究を通じて、エリート教育ではない新たな自由教育のあり方を模索していたという点で両者が共通する問題意識を抱えていたこと、そして、両者が異なるアプローチ(ハクスリーは科学教育、アーノルドは文学教育)によって、新たな自由教育の実現を試みていたことを明らかにすることで、両者の自由教育論争における位置づけを素描した。
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