研究課題/領域番号 |
19K21009
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補助金の研究課題番号 |
18H05817 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
富田 望 早稲田大学, 人間科学学術院, 講師(任期付) (30823364)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 社交不安症 / 自己注目 / 注意バイアス / メタ認知療法 / 注意訓練法 / メタ認知的信念 / 生態学的経時的評価法 / 視線知覚 / 自閉症スペクトラム / 観察者視点 / 現場視点 / 注意制御 / 視線追尾 / 注意制御機能 / 治療プログラム |
研究開始時の研究の概要 |
社交不安症(Social Anxiety Disorder: SAD)は、10人に1人が罹患する精神疾患であり、自己注目(自己への過度な注意)や注意バイアス(他者への過度な注意)といった注意の問題が維持要因となっている。脳機能との関わりが深い注意への介入は、薬物療法と心理療法の中間に位置づけられる効率の良い方法であり、病態の性質上対話中心の心理療法が継続しにくいという社交不安特有の問題を打破する新たな治療法となることが期待できる。そこで、本研究では、注意に焦点化した介入プログラムを開発し、その効果を検証することを通して、SADの本質的理解を深めることを目的とする。
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研究成果の概要 |
社交不安(対人場面での不安緊張)の維持要因である自己注目(自分自身への過度な注意)に焦点をあてた介入研究や調査・実験研究を実施した。第一に、注意への介入法である注意訓練法(ATT)について、社交不安特有の自己注目に特化したATTを開発して効果を検証した結果、通常のATTを行う群よりも社交状況への恐怖感が有意に低下した。第二に、自己注目と関わりの深いメタ認知的信念(「自分自身を気にすることは役立つ」といった注意の方略)」に着目し、メタ認知的信念への介入プロトコルを開発して効果を検証した結果、自己注目の心理教育を行う群よりも、メタ認知的信念介入群において社交不安症状が有意に低減した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果によって、自己注目への効果的な介入法が示唆され、特に注意に関するメタ認知的信念を修正することで社交不安症状が大きく改善することが示された点で学術的・社会的意義があると考えている。また、縦断調査の実施に加えて、生態学的経時的評価法 (EMA)によって社交不安症状と自己注目の関係性を日常生活の文脈から具体的に示すことができた点も、自己注目の本質的理解を深める上で学術的意義があると考えている。
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