研究課題/領域番号 |
19K21053
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補助金の研究課題番号 |
18H05872 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
宮本 佳明 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 講師 (90612185)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 台風 / 熱帯低気圧 / エアロゾル |
研究開始時の研究の概要 |
台風は、海から流入した水蒸気が中心付近で凝結して生じる運動エネルギーで駆動する。即ち、中心付近に存在する眼の壁雲で常に水蒸気が凝結する必要がある。凝結(水滴の形成)には、凝結核が必須であり、大気中に浮遊するエアロゾルが凝結核となる。さらに凝結核の数によって、対流雲の構造が変化することが提唱されている。つまり、エアロゾルの数濃度によって眼の壁雲での凝結分布が変化し、台風に影響すると考えられる。そこで本研究では、台風の強度・構造に対するエアロゾルの影響を包括的に理解することを目的とする。
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研究成果の概要 |
台風は中心付近で雲が形成されることで駆動する。そのため台風の強度や構造は雲の構造に依存する。雲粒が形成するためには凝結核(エアロゾル)が必須であり、その数濃度が変わると雲の構造が変わることが分かっている。本研究は、台風の強度・構造に対するエアロゾルの数の影響を明らかにする。そこで、流れ場とエアロゾル・雲過程を解く精緻な気象モデルを用いて、エアロゾルの数濃度を系統的に変えた実験を行なった。その結果、成熟した台風の強さへのエアロゾル数の影響は小さい一方、強化過程に大きく影響することが分かった。これは、台風の成熟時の強度は環境場で決まるのに対して、発達時は個々の雲の役割が大きいためと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでエアロゾルの影響は、層積雲や積雲などで主に研究されてきた。近年では台風への影響も調べ始められているものの、事例研究が多く理解は進んでいない。本研究では、理想的な台風の計算条件にエアロゾルの効果だけを追加して計算を行ったため、純粋なエアロゾルの影響を議論できたと考えられる。近年の産業発展により人為起源のエアロゾルが増加しており、さらに温暖化によって中緯度まで強い台風が到達している。つまりエアロゾルの影響は、今後さらに重要になると考えられる。本研究でエアロゾルの台風への影響の理解が得られたため、今後、予測精度向上に向けて継続して研究することで、社会的意義のある成果へ繋がると期待される。
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