研究課題/領域番号 |
19K21126
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補助金の研究課題番号 |
18H05973 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
長尾 一哲 金沢大学, 薬学系, 助教 (50825164)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ホウ素医薬品 / 環状オキサボリン / エーテル / ワンポット / 1,2-ジオール / ボロアミノ酸 / 一電子酸化還元 / 遷移金属触媒 / 光酸化還元触媒 / 有機分子触媒 / 不活性結合活性化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では近年注目されているホウ素含有医薬品の迅速かつ効率的に合成するための触媒反応の開発を目指す。炭素ホウ素結合を有する環状アルキルボロールとボロアミノ酸を構築するために、一電子酸化還元を利用した炭素ホウ素結合形成反応を開発する。具体的に、ルイス酸と遷移金属触媒を用いた環状エーテルへの形式的なホウ素原子挿入反応とルイス塩基光触媒を用いたアルキルアミンのα位ホウ素化反応を検討する。ホウ素化学の学識と手法に基づき、金属触媒、有機分子触媒、および光酸化還元触媒作用を融合させた触媒システムを構築する。
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研究成果の概要 |
ホウ素化合物は新たな低分子医薬品の骨格として注目を集めている。本研究では既にホウ素医薬品の主たる骨格として知られる環状オキサボリンを効率的に供給する手法を開発した。安価かつ自然界に豊富に存在する5員環エーテルをルイス酸による開環と銅触媒によるホウ素化、脱保護により、6員環オキサボリンを構築することが可能となった。5員環エーテルの側鎖にシリルエーテルやアミドのような官能基が存在しても良好に反応が進行した。得られた環状オキサボリン類は糖やカテコールに含まれる1,2-ジオール骨格と高い親和性を有することも見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環状オキサボリンはホウ素原子を含む新たな医薬品骨格群として注目されているものの、その合成は古典的なアルケンのヒドロホウ素化に依存しているため、新たな合成手法の開発が必要である。本研究は安価かつ自然界に豊富に存在する環状エーテルに形式的にホウ素原子を挿入して、環状オキサボリンを構築する手法を開発した。本研究成果はホウ素医薬品に関連する創薬研究の加速と新たな医薬品化合物の創出に貢献することができる。
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