研究課題/領域番号 |
19K21153
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補助金の研究課題番号 |
18H06013 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0602:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
伊賀 正年 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 研究員 (70721497)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | フィブロイン H鎖 / 絹糸性状 / シルク / カイコ / フィブロインH鎖 |
研究開始時の研究の概要 |
カイコには絹糸の太さや力学物性に特徴を有する品種が存在するが、これら絹糸性状の差異と品種間の遺伝情報との関連性は分かっていない。繊維を構成する主成分であるフィブロインH鎖 (FibH) タンパク質は高分子であることに加え、その塩基配列はグアニン/シトシンの割合が高く、かつ高度な反復配列を多数含むという特異なものである為、一般的手法による塩基配列の全長決定は困難である。そこで、本研究ではナノポアシーケンサーを用いて特徴的な絹糸性状を有する蚕品種のFibHのmRNA配列を読み、アミノ酸配列と絹糸性状の相関を明らかにすると共に、優れた絹糸性状を有するカイコの開発に向けた基盤の構築を目指す。
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研究成果の概要 |
カイコには絹糸の太さや力学物性に特徴を有する品種が存在するが、絹繊維を構成する主成分であるフィブロインH鎖(FibH)遺伝子はサイズが大きく、かつ高度な反復配列を多数含むため全長配列の解析が困難であり、絹糸性状と遺伝情報との関連性は不明であった。本研究ではナノポアシーケンサーを用いることで特徴的な絹糸性状を有する品種のカイコのFibH遺伝子の全長配列を解読し、品種間でFibH遺伝子の配列が異なることを明らかとした。また、絹糸の力学物性の違いに関係することが期待される配列の差異を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで困難とされてきたカイコのフィブロインH鎖(FibH)遺伝子の解析がナノポアシーケンサーを用いることで可能であることが明らかとなった。これにより、今回初めて品種間でFibH遺伝子の配列が異なることがわかった。また、絹糸性状とFibH遺伝子の配列情報との相関を検討することにより、力学物性の違いに関係することが期待される配列の差異を見出した。これらの成果は学術的な意義に加え、品種育成や遺伝子組換えによる特徴的な力学物性を有する絹糸を産生するカイコの作出等への貢献が期待される。
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