研究課題/領域番号 |
19K21166
|
補助金の研究課題番号 |
18H06029 (2018)
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0605:獣医学、畜産学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
真方 文絵 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (50635208)
|
研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 炎症性子宮疾患 / 肝機能障害 / リポポリサッカライド / 遊離脂肪酸 / ケトン体 / 卵胞 / 卵母細胞 / 乳牛 / リポポリサッカライド結合タンパク / 顆粒層細胞 / エンドトキシン / 獣医学 / 畜産学 / 生殖内分泌学 / 高泌乳牛 |
研究開始時の研究の概要 |
乳牛の生産性を低下させている要因に,高泌乳牛に頻発する炎症性子宮疾患が存在する。本研究では,子宮に感染した細菌が放出するエンドトキシンであるリポポリサッカライド(LPS)代謝の主たる器官である肝臓に着目し,炎症性子宮疾患と高頻度で併発する肝機能障害がLPS の代謝と作用に及ぼす影響を明らかにする。具体的には,子宮の炎症と肝機能障害という二つの病態を組み合わせたin vivo/vitro 疾病モデルを作出し,LPS の消失速度や卵巣への作用を検証する。
|
研究成果の概要 |
本研究は乳牛の肝機能低下が炎症性子宮疾患の病態におよぼす影響を明らかにすることを目的とした。高泌乳牛では子宮の炎症と肝機能障害が高頻度で併発した。また,肝機能障害は卵胞内微小環境を変化させたとともに,子宮の炎症に由来する細菌毒素の卵胞液中濃度増加や卵巣機能低下に関与する可能性を示し,二つの疾病の相互連関を卵胞レベルで明らかにした。さらに,疾病モデルラットの作出によって乳牛で多発する代謝性疾患と生殖機能低下とを個々および双方から精査することが可能となった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
炎症性子宮疾患および肝機能障害に関する研究の多くは対症療法の開発を中心とした臨床学的検討であり,双方からのアプローチによる分子レベルでの病態解明は行われていなかった。本研究により,高泌乳牛において多発する肝機能障害と炎症性子宮疾患は相互に連関を示し,卵胞内微小環境を変化させることで卵巣機能障害を引き起こす可能性が示された。本研究成果は新たなアプローチによる革新的な治療法の開発のための基礎的知見となり,乳肉牛の生産性向上に寄与することが期待される。
|