研究課題/領域番号 |
19K21167
|
補助金の研究課題番号 |
18H06030 (2018)
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0605:獣医学、畜産学およびその関連分野
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
森田 康広 名古屋大学, アジアサテライトキャンパス学院(農), 特任助教 (90818262)
|
研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 暑熱 / 卵巣 / 子宮 / 心拍変動解析 / ストレス評価 / 暑熱環境 / 卵巣温度 / 子宮温度 / 暑熱ストレス / 卵胞発育 / ウシ / 繁殖性向上 / カンボジア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では暑熱環境下での雌生殖器の温度維持機序を解明し、世界における暑熱期や暑熱ストレス環境下の繁殖性および畜産生産性の改善に寄与することを目的とする。雌において生殖器周囲には直腸温、子宮温、卵巣温、卵胞温の順に温度が低くなる温度勾配機序があり、この温度勾配の撹乱と排卵不全との関連が報告されている。この温度勾配については性周期を通しての動態や、卵胞発育不全、卵巣嚢腫などの繁殖障害との関連は不明である。本研究では、心拍変動解析をストレス指標として、生殖器周囲の温度勾配の変化を明らかにし、性周期のどの時期に暑熱ストレスの影響により温度勾配が破綻しやすいのかを解明する。
|
研究成果の概要 |
本研究では暑熱環境下での雌生殖器の温度維持機序を解明し、生殖器の温度勾配が性周期のなかでどのように変化するのか、およびこの温度勾配と繁殖性との関連を解明することを目的とした。温度計の腹腔内臓器留置法を確立し、黄体期の膣、子宮、卵巣は同調した温度変化を示すこと、常に温度勾配が維持されていることを示した。また、暑熱ストレスを評価するために持続的に心電図を記録し、心拍変動解析を行った。心拍変動解析とクラスター解析により暑熱ストレスの程度を区分できる可能性を示し、加えて、膣温が上昇するときは副交感神経活動が活性化し、末梢への血流の変化が起こっている可能性を示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって確立した観察方法、ストレス評価法によって、性周期のどの時期に雌生殖器周囲の温度勾配が保たれることが卵胞発育および排卵において重要であるか、どの程度のストレスでこの維持機構に変化が起きるか解明することが可能である。これによって、暑熱期における牛群の管理方法に新たな知見を加えることが可能となり、日本のみならず、放牧主体で飼養せざるを得ない、熱帯地域の発展途上国での酪農または肉用牛生産においては重要な知見に繋かがると考えられる。また、同一条件下でも温度勾配が維持されている耐性個体を選抜することで、熱帯地域に根ざした育種の可能性も考えられる。
|