研究課題/領域番号 |
19K21175
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補助金の研究課題番号 |
18H06041 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野澤 佳世 東京大学, 定量生命科学研究所, 助教 (10808554)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | クロマチン / 転写 / RNAポリメラーゼ / RNAポリメラーゼII |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトを構成する約2万種類のタンパク質の情報はDNAに保存されており、RNAポリメラーゼII (Pol II)の働きによってmRNAに転写され、タンパク質の設計図として機能する。しかし、設計図は必要な時に作られなければ細胞の秩序が壊れ、生命活動を維持することはできない。このPol IIの機能の「オン」、「オフ」を制御しているのが、クロマチン構造や転写メディエーター、Pol IIのC端ドメインのリン酸化パターンである。本研究では、転写反応をX線結晶構造解析を用いて可視化し、その知見を生化学実験にフィードバックすることで、原子分解能レベルで解明したいと考えている。
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研究成果の概要 |
転写メディエーター (Med)はRNAポリメラーゼ IIのC末端領域(Pol II CTD)を介してプロモーターに結合し、そのCTDをTFIIHキナーゼに提示することで転写を誘起する。本研究では転写開始時に起こるMedの構造変換を再現するためにMedとCTDを融合させた複合体を作成し、X線小角散乱解析を行った。その結果、リン酸化によってMedがCTDから外れる瞬間を可視化することができた。また、Pol IIの精製系とTFIIHキナーゼの発現系を樹立し、MedがPol IIのリン酸化に与える影響を評価したところ、リコンビナントに調製したMedでもリン酸化効率を10倍程度上昇させることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトを構成する約2万種類のタンパク質の情報はDNAに保存され、Pol IIの働きでmRNAに転写されることで初めて、その設計図として機能する。しかし、設計図は必要な時に作られなければ細胞の秩序が壊れ、生命活動を維持することはできない。このPol IIの機能の「オン」、「オフ」を制御しているのが、Medによって誘起されるクロマチンの構造変換やPol II CTDのリン酸化パターンである。本研究で得られた成果をさらに生化学実験にフィードバックすることで、転写が関わる細胞分裂の異常や癌化についても、新たな知見が得られると期待される。
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