研究課題/領域番号 |
19K21209
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補助金の研究課題番号 |
18H06086 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐々木 亮 京都大学, 医学研究科, 助教 (70817931)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 意思決定 / 腹外側前頭前野 / 腹側被蓋野 / マカクサル / 報酬とリスク / デコーディング解析 / 前頭前野 / ポピュレーションデコーディング / ギャンブル依存 / ドーパミン |
研究開始時の研究の概要 |
近年、精神疾患の病因の理解と治療法の確立が急務とされている。精神疾患の主たる症候のひとつである意思決定機構の障害の原因解明に対する社会的要請は高く、世界中で盛んに研究が進められている。本研究では、ヒトの柔軟な意思決定の基盤を、非ヒト科霊長類を用いて、心理行動学的、生理学的、計算論的な側面から、統合的・網羅的に解明する。
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研究成果の概要 |
まずマカクサル4頭の行動実験から報酬とリスクのバランスを定量化できる行動評価法の開発に成功した。つぎにこの課題遂行中に前頭葉領域及び中脳の様々な部位にGABAA受容体のアゴニストであるムシモルを注入して可逆的不活性化実験を行ったところ、腹外側前頭葉皮質(vlPFC)を不活性化した際にリスク依存性が消失することが見いだされた。現在、vlPFCにおける大規模神経活動同時記録を開始している。サルがHH-LL課題課題遂行中にvlPFCから神経活動を記録すると、リスクと期待値それぞれ独立に応答するニューロンの他、興味深いことにそれらの両方に依存する応答パターンを示すニューロンが観察されている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
同一の課題を用いてマカクザルの腹側前頭前野(vlPFC)に、眼窩前頭皮質(OFC)、腹側被蓋野(VTA)など複数の脳領野の機能を検討し、さらにこれら複数領野から神経活動を同時記録し、複数領野多数ニューロン活動から直接的にサルの意思決定を推定することで複数の脳領野間のネットワークとしての役割を明らかになってきた点が意義深い。また、計算論的手法の切り口を組み合わせることで、新たな手法が確立すれば、巨大脳における全脳ネットワークの可視化を一気に加速でき創造性が高い。その結果、精神疾患の患者やギャンブル依存の患者の治療法に関する理解がより一層進み、革新的な医療応用につながることが期待される。
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