研究課題/領域番号 |
19K21287
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補助金の研究課題番号 |
18H06182 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
佐藤 陽之輔 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (00823311)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 小細胞肺癌 / 神経ガイダンス分子 / Draxin / Neogenin / 発癌 |
研究開始時の研究の概要 |
小細胞肺癌は、化学療法による治療効果が不十分であり新たな治療法が求められている。 神経ガイダンス分子は特異的な受容体との結合の有無に応じて、細胞増殖やアポトーシスを調節する。癌細胞では、この機能を利用して細胞増殖や生存、アポトーシスの回避に役立てていると考えられており、この機構を利用した新たな癌治療方法への活用が研究されている。 本研究では、小細胞肺癌において、神経ガイダンス分子とその受容体の役割を解析をするとともに、神経ガイダンス分子と受容体の結合を阻害するためにdecoy蛋白を作成、用いて癌細胞への影響を検討し、神経ガイダンス分子が小細胞肺癌への新たな治療法となる可能性を模索するものである。
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研究成果の概要 |
ガイダンス分子Draxinと受容体Neogeninによる経路が小細胞肺癌の腫瘍形成性に及ぼす影響を検討するために、細胞株H69ARとSBC5を用いてDraxinとNeogenin遺伝子欠損細胞株を各々作成し、蛋白発現とリン酸化発現の解析を行った。Draxin遺伝子欠損群ではアポトーシス関連因子であるカスパーゼの発現減少の傾向が認められ、Neogenin遺伝子欠損群では腫瘍の浸潤・転移に関与する細胞接着因子FAKの発現減少の傾向を認めた。またDraxin-Neogenin経路を阻害するデコイ蛋白を作成、培養中の小細胞肺癌に投与した結果、カスパーゼの発現が減少する傾向にあることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小細胞肺癌は高悪性度腫瘍であるが、従来の化学療法では治療効果が不十分であり、新規治療法の開発が求められている。ガイダンス分子は受容体との結合により細胞増殖やアポトーシスを調節することから、新しい癌治療のターゲットとして注目されているが、Draxin-Neogenin経路と小細胞肺癌に関する報告はこれまで存在しなかった。本研究によりDraxin-Neogenin経路は小細胞肺癌の腫瘍生存性においてアポトーシス調節や腫瘍の浸潤。転移能に関与している可能性があることがわかり、小細胞肺癌の新規治療法開発のターゲットとしての可能性も示すことができた。
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