研究課題/領域番号 |
19K21296
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補助金の研究課題番号 |
18H06191 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
成味 太郎 山形大学, 医学部, 客員研究員 (00755142)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | microRNA / 線維化 / 心筋 / 肥大 / 機序 / heart failure / target / miR-27a / Nrf2 / 虚血性心筋症 / 活性酸素種 / miR27a / 心不全 |
研究開始時の研究の概要 |
虚血性心筋症による心不全の病態形成や進展に,過酸化脂質や,活性酸素種による酸化ストレスが重要な役割を果たす.酸化ストレス消去系酵素の発現を亢進させる転写因子Nrf2が,何らかの機序でその発現が抑制されることで心不全が進展していく可能性がある. 肝細胞においてNrf2の発現はmiR-27aを介して抑制されることが報告されている.また虚血性心筋症患者ではmiR-27aの発現が亢進していることが報告されている. 本研究では,虚血性心筋症において、miR-27aの発現亢進がNrf2の発現抑制を介して心不全の病態形成や進展に重要な役割を果たすと仮説を立て、検証を行う。
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研究成果の概要 |
HHD患者10例と対照患者10例においてmiR-21がHHD患者では有意に高値であり、その値は血中の心筋線維化マーカーであるIII型プロコラーゲンN末端ペプチドおよびI型コラーゲンC末端テロペプチドと有意な相関関係を示した。心筋組織中のmiR-21もHHD患者で有意に高値であった。新生仔ラット心筋細胞にAng II刺激を行った。Ang II刺激により心筋細胞ではmiR-21が上昇し、PDCD4が低下し、その下流に存在するAP-1およびTGF-β1は上昇した。miR-21阻害薬を投与することにより、PDCD4は上昇しAng II刺激によるAP-1およびTGF-β1の上昇は抑制された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TGF-β1はmiR-21の発現を上昇させるとともに、miR-21も下流の標的遺伝子を介してTGF-β1を上昇させる。フィードバックループが形成され心筋リモデリングを促進する。HHD患者においてmiR-21が上昇しており、左室肥大や心筋の線維化の形成には、miR-21/PDCD4/TGF-β1の経路が重要な役割を果たしていると考えられた。miR-21を阻害することでAng IIによるTGF-β1増加を抑制することができた。miR-21阻害薬は心筋細胞のTGF-β1シグナル抑制を介して心筋リモデリングを抑制できる可能性が示唆された。miR-21は左室肥大リモデリングの治療標的になる可能性がある。
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