研究課題/領域番号 |
19K21317
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補助金の研究課題番号 |
18H06214 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中村 優理 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40822375)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 多発性硬化症 / HLA / 頭部MRI / 脳萎縮 / 全ゲノム関連解析 |
研究開始時の研究の概要 |
多発性硬化症(MS)の疾患修飾薬は、慢性的な障害進行には無効で最大のアンメットニーズとなっている。MSの障害進行は脳萎縮と最も強く相関するが、私達は、多数例の日本人と欧米人のMS のMRI 画像の比較により、両者とも大脳皮質容積と深部灰白質容積が障害の進行と強く相関することを見出した。しかも深部灰白質の萎縮速度は日本人MS が欧米人MS より有意に速かった。しかし、このようなMS の脳萎縮を規定する遺伝的要因は不明である。そこで、本研究では大脳各部位、特に障害進行に密接に関わる灰白質容積の減少と有意に相関するリスク遺伝子・保護的遺伝子を全ゲノム関連解析(GWAS)により同定する。
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研究成果の概要 |
多発性硬化症(MS)患者66例の頭部MRI撮影及びHLAタイピングを施行し、脳容積の減少速度、及び病巣体積の増加速度とHLAの関係について解析を行った。HLA-DRB1*15:01保有者では、全脳容積、脳白質容積の減少速度が速く、DRB1*04:05保有者では、病巣体積の増加が緩徐であった。いずれのHLA遺伝子も脳灰白質容積の減少とは関連していなかった。DRB1*15:01とDRB1*04:05はいずれも日本人MSにおける疾患感受性遺伝子であるが、MSの進行においてそれぞれ異なるメカニズムが機能していることが示唆された。さらに症例数を増やして全ゲノム解析を行う予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MSの脳萎縮は非可逆的な神経軸索変性を反映し、MSの慢性障害進行を予測するバイオマーカーとして注目されている。脳萎縮は進行期に特徴的な所見ではなく、病初期から認められることから、脳萎縮をいかに早期から予防するかがMSの慢性的な障害進行を食い止める上で極めて重要である。今回、日本人MSにおける脳萎縮並びに病巣蓄積と関連するHLA遺伝子を明らかにした。脳萎縮の機序の解明、ひいては治療標的の同定に寄与するもとと考えられる。
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