研究課題/領域番号 |
19K21423
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補助金の研究課題番号 |
18H06340 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
堀 大介 筑波大学, 医学医療系, 助教 (10823693)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 社会的報酬 / NIRS / 職域 / 脳機能 / 対人関係 / 感謝 / 労働者 / 褒め |
研究開始時の研究の概要 |
労働者が強いストレスを感じている事柄で「対人関係」の問題は大きな割合を占めており、対策が求められている。職場で褒めて・褒められることは対人関係を円滑にするのみならず、モチベーション維持やパフォーマンス向上にも繋がる。脳機能イメージング技術によって、社会的報酬によって脳機能が活性化する機序が明らかにされつつあるが、多くの研究はシミュレーション環境で実施されている。 本研究では職場の実際の対人関係の中で、褒められることによる脳機能の変化を、近赤外線分光法による計測で定量化する。そして、より良好なコミュニケーションや職場環境の形成に寄与したい。
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研究成果の概要 |
本研究では、職場で感謝されたり褒められたりした際の脳神経活動を、近赤外線分光法(NIRS)で定量化することを目的とした。共に働いた経験のある健常成人を計10組20名募集した。実験では2名が向かい合って座り、聞き手と読み手を交互に担当した。読み手は聞き手に対し、感謝を感じた出来事や長所を褒める手紙、および対照刺激として中立的な台詞を読んだ。聞き手にNIRS装置を装着させ、酸素化ヘモグロビン濃度変化を測定した。結果、感謝・褒めの手紙を聞いた際の方が対照刺激と比べ、ベースラインからの変化が統計学的に有意に大きかった。さらに実験の前後で、怒り-敵意など5種のネガティブな気分が統計学的に有意に減少した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
職場で感謝されたり褒められたりすることで、対人関係が円滑になるに留まらず、モチベーション維持やパフォーマンス向上に繋がると報告されている。一方、これまで様々な条件下での神経画像研究が実践されてきたが、実在の職場の人間関係の中で感謝されたり褒められたりした際の脳神経活動を計測した例は存在しなかった。本研究で得られた結果の解釈にはさらなる裏付けが必要であるが、社会的相互作用が人にもたらす影響に対してNIRSを用いて神経生理学的な観点からのアプローチを試みた。そのための新たな方法論を提示できた点で、本研究は学術的な意義が大きいと言える。
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