研究課題/領域番号 |
19K21457
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補助金の研究課題番号 |
18H06376 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
小野 寿子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50827326)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | BRCA / 遺伝性乳がん卵巣がん症候群 / クルクミン / ケミカルバイオロジー / BRCAness / PARP阻害薬 / オラパリブ / 遺伝性乳がん・卵巣がん / 予防 / 遺伝性乳癌 / HBOC / 遺伝性乳癌卵巣癌症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
カレーに多く含まれるクルクミンは、がんに対する予防効果を示す実験結果が数多く報告されてきた。ところが近年になり、クルクミンは乳がんなどの発生を抑制するがん抑制遺伝子であるBRCAの発現を抑制することが報告されている。このクルクミンによるBRCAの発現が抑制されている状態をBRCAnessといい、逆に発がん促進に働く怖れがある。したがって、本研究ではクルクミン結合分子をケミカルバイオロジーの手法で明らかにすることにより、クルクミンがBRCAnessを誘導する発がん促進分子の同定を行う。同定した分子を阻害することがBRCAness腫瘍の発癌に対する新規分子標的癌予防法につなげられるかを探索する。
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研究成果の概要 |
がん増殖抑制効果を認める天然化合物クルクミンがBRCAnessを誘導することから、ケミカルプローブとして利用し、遺伝性乳癌や卵巣癌の予防や治療の一助になる分子マーカーを探索した。 ケミカルバイオロジーの手法にてクルクミン固定化ナノ磁性ビーズを作成し、クルクミン結合タンパク質を精製・同定した。この候補分子のうち分子WをsiRNA法にてknockdownすると、mRNAレベルでBRCA1、2の発現低下が認められた。次に臨床で使用されている分子Wの阻害剤を処理すると同様の発現低下が認められた。以上の結果から、分子WはBRCAness誘導のkey moleculeである可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によりクルクミンの結合タンパク質のひとつである分子WがBRCAness誘導に関連している可能性が示唆された。現在、PARP阻害剤が遺伝性乳癌や卵巣癌の治療で臨床応用されている。PARP阻害剤の効果はBRCAnessの状態であれば感受性が増強することが想定されるため、今後、分子Wに関するさらなる解析を進めることで遺伝性乳がん卵巣がん症候群の予防や治療に役立つ可能性がある。
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