研究課題/領域番号 |
19K21482
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補助金の研究課題番号 |
18H06403 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 有佳 大阪医科大学, 医学部, 助教 (50827269)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 社会疫学 / 家庭内役割 / ダブルケア / 家庭内介護 / 健康 |
研究開始時の研究の概要 |
急速な晩婚化・晩産化に伴い、日本では推計25万人(2012年内閣府調査)が子育てと親の介護を同時に行う「ダブルケア」を担っている。現代の女性は社会で働くことが強く望まれている一方、社会には子育てや介護等の家庭の仕事を女性が担当すべきだという規範が根強く残っており、女性の負担が増し、健康状態が悪化している可能性がある。これまでに子育または介護をする者の心身の健康が損なわれていることは示されているが、子育てと介護が同時に存在する現代の家庭内役割と健康の関連についての研究は行われていない。 そこで本研究では、大規模調査データを用いて、ダブルケアも含めた家庭内役割が心身の健康へ与える影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、日本人の代表サンプルである国民生活基礎調査等の大規模調査データを用いて、家庭内役割と健康との関連、またその関連が社会経済状況ならびに就業状況によって異なるかを明らかにすることを目的とした。 研究の結果、介護およびダブルケアはケアを行う女性の主観的な健康と負に関連しており、また、家庭内ケア(子育て、介護、ダブルケア)は健康行動と負に関連していることが示された。また、それらの関係は、ケア者の社会経済状況によっては異ならなかったが、就業状況によって異なる可能性が示された。高齢化が進み、家庭内の介護負担が増える中、家庭内ケアを行う者の健康を守る公衆衛生学的施策が重要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、子育てと介護が同時に存在する現代の家庭内役割と健康との関連について、日本人の代表サンプル調査データを用いて実施した初めての研究である。本研究により、家庭内ケアと主観的な健康および健康行動の関連、および就業状況による関連の変化が示された。今後の女性の健康・健康行動支援施策では、家庭内ケアの種類に加え、就業状況を考慮する必要性が示唆された。 日本では家庭内ケアを主に女性が担っており、ケアを行う彼女らの健康を守ることは、彼女らの子どもを含む他の家族の健康を守ることにもつながる。本研究の結果は、家庭内ケアを行う女性の健康増進および仕事と家庭の両立支援施策へ資するものであると考える。
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