研究課題/領域番号 |
19K21501
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補助金の研究課題番号 |
18H06425 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 甲南女子大学 |
研究代表者 |
西本 幸子 甲南女子大学, 医療栄養学部, 助教 (90824053)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | インスリン抵抗性 / 肥満 / DNA断片 / 核酸分解酵素 / 慢性炎症 / 遊離核酸断片 / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
インスリン抵抗性の発現には、脂肪組織におけるマクロファージを中心とした慢性炎症が重要な役割を果たしている。自己由来の遊離核酸断片は、病原体センサーのひとつであるToll-like receptor(TLR)9により認識され、慢性炎症を惹起することから、インスリン抵抗性との関係が示唆されている。しかしながら、脂肪組織の炎症における遊離核酸断片の分解と認識に関わる自然免疫機構の詳細は不明である。そこで本研究では、脂肪組織の慢性炎症とDNA分解の関連性を調べるとともに、蓄積するDNAの質、量の評価を行う。
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研究成果の概要 |
肥満によりインスリン抵抗性と慢性炎症を惹起された脂肪組織におけるDNA分解機構への影響を検討した。食餌誘導性肥満マウスの脂肪組織においてマクロファージ浸潤および炎症性サイトカインの発現の上昇がみられるとともに、血中遊離核酸濃度が上昇した。さらにDNase II活性の上昇も観察されたことから、脂肪組織におけるDNA分解機構の変化が、インスリン抵抗性の発現に関与することが推定された。また、マクロファージ細胞株を用いた実験により、マクロファージのTLR経路活性化による炎症惹起がDNA分解機構に影響を与えることが考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
機能障害を起こした細胞から遊離するダメージ関連分子パターンを介した、マクロファージの自然免疫機構の活性化が、慢性炎症疾患の病態として重要な役割を果たす。本研究では、新たに、肥満動物を用いた実験により、血中遊離核酸の蓄積と、インスリン抵抗性をともなう脂肪組織慢性炎症における核酸分解機構との関係を報告した。慢性炎症は動脈硬化症など他の生活習慣病の発症にも関与している。それらの機序にも核酸断片の分解・認識に関わる自然免疫機構の関与が推測され、生活習慣病の新たな治療・予防方法の開発につながることが期待される。
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