研究課題/領域番号 |
19K21506
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補助金の研究課題番号 |
18H06431 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
研究代表者 |
大松 聡子 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 運動機能系障害研究部, 流動研究員 (10824849)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 半側空間無視 / 自動車運転 / 視線分析 / 視線 / 視線計測 |
研究開始時の研究の概要 |
脳卒中後に好発する半側空間無視(USN)は、損傷を受けた側の脳と反対側の空間にある物事に反応・応答、認識し難くなる症状です。USN 症状があると自動車運転も難しくなります。本研究はUSN患者に対して、自動車運転再開に必要な情報取得に着目した評価及び効果的なリハビリテーション手法の開発を一貫して行うことを目標としています。既存の検査のみでは評価し難い側面に関し、運転映像を視認している際の視線分析と、脳の解剖学的画像分析を行うことによって、定量化した視線特性と脳の損傷部位の関連性を明らかにし、症状の原因となる病態に応じた介入手法の開発を目指します。
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研究成果の概要 |
運転再開を希望する無視症例を対象に(全被験者運転経験者)作成したシンプルな運転動画を提示し、「あたかも自分が運転するようなつもりで」見てもらい、その際の視線位置を分析した。健常成人の場合、運転経験によって各シーンに応じた視線の左右分布特性を示した。無視症例では全体を通じて1回あたりの注視時間が長く注視回数が少なく、得られる情報が少ない状態であった。また、左カーブや左折時は予測的な左方向への視線探索が右方向と比較して乏しかった。ただし、抽象動画と比較して左空間へ注視点が拡大する症例が散見されたことから、運転場面という経験を伴う文脈要素によって無視空間への気づきを高められる可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年自動車運転リハビリテーションが注目されており、運転シミュレーターを用いた報告にて認知能力や運転技能を評価し路上評価成績が運転再開可否の判断に役立つとされる。一方、リハビリテーションの立場では運転可否以上に、周囲の状況を認知して実際に操作・行動するまでの処理一連のどの段階に停滞があるかを把握することがその後のリハビリテーションを行う上で重要となる。本研究では、自動車運転動画視認中の視線分析を行うことで、周囲の状況を認知する段階での停滞を把握する手法を考案した。行動範囲の狭小化は生活の質を下げる大きな要因であることから、運転再開を検討する一つの手段として意義があるものと考えられる。
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