研究課題/領域番号 |
19K21521
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補助金の研究課題番号 |
18H06451 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 森ノ宮医療大学 |
研究代表者 |
辻 義弘 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 准教授 (20825484)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 血液透析 / 除水速度 / 至適平均除水速度 / 自律神経応答 / 自律神経機能 / 自律神経 |
研究開始時の研究の概要 |
血液透析患者は血液透析により体内に貯留した水分を除去する必要がある.自律神経機能が低下していると,水分除去量の変化に合わせた血圧調整が適切に行えず,急激な血圧変動をきたす.しかしながら,除水速度の設定に関する明確なエビデンスが存在しないため,透析医療の現場では除水速度の設定に苦慮している.誤った除水速度の設定は,透析中の苦痛,倦怠感,下肢痙攣,自律神経機能のさらなる悪化などの原因となり患者QOLを著しく低下させる.さらに,致死性不整脈の出現,死亡率の増悪,心臓突然死の要因となり得る.そのため,除水速度が透析患者に与える影響を明らかにし,適切な除水速度を設定することが求められる.
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研究成果の概要 |
本研究では,血液透析患者における血液透析中の至適平均除水速度(ultrafiltration rate)を推定することを目的とした.1年以上安定して血液透析を受けている透析患者707名を対象とし,非糖尿病性腎症患者と糖尿病性腎症患者の総死亡率に対する平均除水速度の影響を遡及的に評価した.非糖尿病性腎症患者群と糖尿病性腎症患者のGNRIと年齢で調整したカットオフUFR値は,それぞれ12.07 mL/hr/kgと9.66 mL/hr/kgであった.本研究の結果,血液透析患者の死亡にはUFRが関連しており,至適UFRは非糖尿病性腎症患者群と糖尿病性腎症患者で異なることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,「透析患者の自律神経機能を安定化させることにより,身体的な機能改善および患者QOLを向上させること」を目的とした.患者ごとに最適な除水速度を決定し血液透析を行うことは必須である.本研究では最適な除水速度を決定するため,透析患者の平均除水速度と死亡率の関係を調べた結果,非糖尿病性腎症患者群と糖尿病性腎症患者の至適UFRはそれぞれ12.07 mL/hr/kgと9.66 mL/hr/kgであった.本研究の結果は,過除水が引き起こす交感神経過活動による致死性不整脈,急激な血圧低下による循環不全,心臓突然死の予防し,患者のQOLの向上,社会復帰の上昇,合併症の予防を可能とする.
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