研究課題/領域番号 |
19K21659
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
加藤 知道 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (60392958)
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研究分担者 |
増冨 祐司 国立研究開発法人国立環境研究所, 気候変動適応センター, 室長 (90442699)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 飢饉 / 定量化 / モデル / パラメータ最適化 / 稲刈帳 / 水稲生育モデル / 復元気候データ |
研究開始時の研究の概要 |
近世(1600-1850年)において、我が国の最重要作物であるコメ収量の年々変動は、気候変動(冷害・干ばつなど)が主な原因であると考えられている。しかし、実際の水田のコメ収量について、全国規模の収集と復元気候データとの統合的な比較はほとんど行われていない。また水稲生育モデルが開発されているが、パラメータ調整は現在の品種に対してのみ行われており、過去の品種に対応できていない。そこで本研究は、篤農家による稲刈帳に記録された実測コメ収量と、古環境復元データと、水稲生育モデル・パラメータ最適化を組み合わせ、近世250年間における気候変動がコメ収量に及ぼした影響を定量的に解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
稲刈帳による収量の年々変動を解析した結果、天保の大飢饉とされる期間(1832-1839年)において、東日本の地点では大きく負の値を取っていた。さらに、古くにデータが存在している山形・山梨では天明の大飢饉があったとされる期間(1783-1786年)においても、度々収量が大きく低下する年が見られた。またモデルによる再現については、モデル構造の改良と、生理生態パラメータを江戸時代終わり頃を想定した最適化を行うことができた。また入力する気候データの整備もおこない、すぐにモデルによる再現を行える準備ができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発したアプローチでは、稲刈帳による文献データと、最先端の作物モデルや、パラメータ最適化等のデータ同化技術を組み合わせ、これまで日記等の資料でしかわかっていなかった飢饉等のイベントを、定量的に再現することを可能にした。 これはイネに限らず、小麦、大豆、とうもろこし等にも応用でき、かつ空間スケールを世界まで広げることが可能であり、発展性が高いところに意義がある。
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