研究課題/領域番号 |
19K21685
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分6:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
高橋 百合子 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (30432553)
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研究分担者 |
飯田 健 同志社大学, 法学部, 教授 (50468873)
SONG JAEHYUN 関西大学, 総合情報学部, 准教授 (70822617)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 在外投票 / 買票行為 / 移民 / 政治参加 / メキシコ / ネットワーク / サーベイ実験 / 米国 / 票買収 / リスト実験 / 混合手法 / 買票 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、在外投票における票買収の実態およびメカニズムについて明らかにすることを目的とする。新興民主主義諸国においては、民主化とともに、国外在住の市民に対する在外投票の権利が拡大された。しかし、民主化して日が浅い国では、概して選挙管理制度が未整備なことが多く、とりわけ国外で実施される在外投票における選挙不正への監視は弱い。こうした状況下、政治家は国外在住の市民の票を買収する動機を抱くことが予想される。本研究は在米メキシコ移民に焦点を合わせ、メキシコの政治家が移民票を動員するメカニズム、および移民に対して票買収を行っている可能性を、サーベイ実験と現地調査により検証する。
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研究成果の概要 |
本研究課題は、在外投票における票買収(Vote Buying)について、在米メキシコ移民の事例に着目し、サーベイ実験とインタビュー調査を用いて実証分析を行った。2018年の大統領選挙の在外投票において票買収が行われたかどうかについてサーベイ実験した。その結果、約32%の回答者が票買収を経験したことが分かった。更にメキシコ・プエブラ州において移民経験者および移民家族、および米国ロサンゼルス市・シカゴ市・ニューヨーク市における移民団体リーダーに対して聞き取り調査を行った。その結果、移民がメキシコへの家族の投票行動へ影響を与えることを目論み、在外においても票買収が行われているメカニズムが解明された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、世界規模で、経済的・政治的理由から他国への移民が増加する中、移民が送り出し国・受入国の政治に与える影響は増しつつある。こうした背景の下、本研究は、3つの点で重要な学術的・社会的意義を有する。第1に、国外で行われた票買収を分析の射程に含めることで、票買収を中心とする選挙不正の実態の解明を目指し、選挙不正研究の地平を広げる。第2に、サーベイ実験により、票買収による在外市民の民主的利益代表の阻害が阻まれたのかどうか、正確に把握することが可能となる。第3に、移民の越境的なネットワークを分析枠組みに組み込むことにより、国際移民研究の発展にもつながりうる。
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