研究課題/領域番号 |
19K21708
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
下田 恭美 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 准教授(任期付) (30746483)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 社会起業 / 持続可能な社会 / ソーシャルビジネス / 国際開発 / アジア |
研究開始時の研究の概要 |
ビジネスによる社会課題解決が世界的に注目を集め、持続可能な社会の形成に向けて民間セクターの役割への期待が高まっている。本研究は、国境を越えて活動する日本及びアジアの社会起業家とその事業パートナー等に焦点を当てる。社会起業家が意識的或いは無意識的に社会起業という選択をするに至る社会的・経済的・文化的背景を探りながら、事業の継続性との関係を明らかにし、持続可能な社会の形成に向けた示唆を得ることを目的とする。ビジネスによる社会課題解決を目指す社会起業家の特性及び起業を可能にする環境を明らかにすることで、社会起業の継続・発展可能性に係る示唆を得ることが期待され、今後の社会起業の促進等に貢献できる。
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研究実績の概要 |
本研究では、国境を越えて活動するアジアの社会起業/家に焦点を当て、起業するに至った社会的・経済的・文化的背景を考察しながら、事業の継続性との関係性を明らかにすることを目指している。新型コロナウィルスの影響が続いていたものの、年度後半に行動制限が徐々に緩和され調査活動を再開することができた。 まず、収集が大幅に遅れていたデータ収集については、年度後半に対面での実施が可能となり質のよいデータが得られた。特に、キルギスを訪問して日本人社会起業家の活動現場を視察し、起業家およびスタッフの聞取り調査から貴重なデータが得られた。また、キルギスでビジネス手法による地域活性化および人材育成支援をしている国際協力機構のプロジェクト現場の視察、関係者からの聞取り(例:専門家、NGOスタッフ)を行い、現地の社会・経済状況や事業運営などについて理解を深めることができた。得られたデータは現在分析を行っている また、文献レビューおよび情報収集を継続して行った。日英語の政府報告書、調査報告書、学術書、学術雑誌を中心に文献をレビューし、関連するウェブサイト、ブログ、新聞・雑誌の記事などから情報・データを収集して動きの速いビジネス分野における情報のアップデートを行った。社会的企業や社会起業家、企業の社会課題解決の取組みなどに関するオンラインセミナー、ワークショップ、イベントにも積極的に参加し、情報・データ収集に努めた。こうした地道な情報収集は、データの分析や今後の執筆にとって重要である。 更に、8月24日~26日にサフォーク大学で開催されたThe 5th Annual Ethnography Symposiumにパネルディスカッションの登壇者として参加し、社会企業に係る質的研究手法によるフィールド調査などで得られた知見の共有を行った。参加者との意見交換からの学びを今後の分析に役立てる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
国境を越えて活動する社会起業家およびその支援者/団体に焦点を当てた本研究において、新型コロナウィルスによる行動制限が緩和されてきたとはいえその影響は大きく、予定していた国内外でのデータ収集の遅れを取り戻せていない状況にある。データ収集に必要なネットワーク構築を予定していた関連セミナーやイベントもオンライン中心の状況が続き、研究活動をスムーズに進めることが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスによる行動制限の緩和が進んでおり、今後、社会起業/家に関連するセミナーやイベントが対面で実施されることが期待される。それにより、必要なネットワーク構築が可能になり、データ収集を加速できると考えている。国内外での調査も実施しやすくなっており、これまでの遅れを取り戻したいと思っている。データ収集を継続しながら、これまで得られたデータについては整理・分析を進める予定である。 行動制限が緩和されたことで、今後は様々な学会の活動も対面を中心に活発になると思われる。本研究の一部については、6月末にメルボルンで開催されるXX ISA World Congress of Sociology において対面発表を予定している(要旨採択済)。その他、国際開発学会など国内外の学会にオンラインや対面に関わらず積極的に参加し、発表および意見交換を行い研究に役立てたいと考えている。
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