研究課題/領域番号 |
19K21764
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
中野 聡子 (金澤聡子) 群馬大学, 共同教育学部, 准教授 (20359665)
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研究分担者 |
原 大介 豊田工業大学, 工学部, 教授 (00329822)
金澤 貴之 群馬大学, 教育学部, 教授 (50323324)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 手話言語 / 言語適性 / 第2言語習得理論 / 日本手話 / 言語適性テスト / 第二言語習得理論 |
研究開始時の研究の概要 |
日本では第二言語習得理論に基づいた日本手話習得・通訳養成カリキュラムの開発が遅れている。そこで本研究では学習者の手話言語適性(外国語学習の成功を予測する認知的能力)を把握し,適正プロフィールを活かした効果的な日本手話習得指導につなげるために,手話言語版MLAT(現代言語適性テスト)の開発とその活用について検討する。学習者個々の言語適性を把握し,適性に合った指導方法を検討することは,手話言語習得・通訳養成の指導カリキュラムの整備や指導法の開発に大きな示唆を与え,また,視覚/聴覚モダリティの相違を超えた言語適性の本質とは何か,第二言語/外国語習得の本質とは何か,について迫ることができる。
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研究成果の概要 |
成人の音声母語話者にとって,第2言語としての手話言語習得は容易でない。手話言語の言語適性(言語学習での成功を予測すると考えられる特定の能力)は音声言語と同じく,言語分析能力,音韻的能力,記憶力,ワーキングメモリといった要素が想定されるが,音声言語とは異なるモダリティを使用するM2L2の側面が注目されている。本研究においても先行研究による知見と同様に,L2日本手話学習者では緻密な手話の音韻判断を行うのは難しいことが示された。また学習初期の段階で,知覚運動協応,調音スピード,手話の視覚空間・心的回転などの困難といった個人差が観察され,これらは音韻的能力が影響していると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
手話言語に関する言語適性研究は,音声言語に比較して非常に遅れており,また手話言語教育・手話通訳教育は,教育学的/心理学的バックグラウンドを持たない指導経験に基づいて直感的に行われていることが多い。本研究では手話言語版MLAT(現代言語適性テスト)の開発には至らなかったものの,「言語適性」を切り口にL2手話学習者の習得の様相の一端を明らかにしようと試み,効果的な手話言語教育・手話通訳教育のあり方に示唆を与えた学術的意義・社会的意義は大きい。
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