研究課題/領域番号 |
19K21849
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中 暢子 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10292830)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 非線形光学 / 半導体分光 / 非線形分光 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、非線形分光でよく用いられる大型レーザー装置からの超短パルス光に代え、小型で汎用性の高いスーパーコンティニューム光源からの擬似定常白色コヒーレント光を用いる革新的な分光手法を確立する。これにより、従来手法に比べて飛躍的に波長精度を向上させること、および、これまで適切な観測手法がないために未知となっている光学禁制の電子準位を顕在化させることが可能となり、光励起状態の理解における新たなブレークスルーが期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では、大型の超短パルスレーザー装置に代え、汎用性の高い擬似定常(高繰り返しパルス)の白色コヒーレント光源を用いる革新的な非線形分光手法を確立することに挑戦した。これは、非線形光学信号を超高精度でスペクトル分解するという、これまでの常識を大きく転換する発想にもとづくものである。半導体物質を近赤外光で励起し、その和周波信号を可視光域で分光する実験研究を行い、広帯域和周波分光法として提案した新規分光法を実証するとともにその適用範囲を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非線形分光には尖頭値の大きな超短パルス光を用いるのが常識であり、そのような励起光は広いエネルギー分布を持つことから、マイクロ~ナノ電子ボルトという超高精度測定が必要となる半導体の精密分光に適用されることはこれまでなかった。本研究により、広帯域和周波分光の原理が検証され、従来手法に比して格段のスペクトル精度の向上と光学禁制状態の可視化が実証された。今後は、さらに周波数の異なる領域や2色化によるポンプ-プローブ実験への応用も考えられ、汎用光源による広帯域和周波分光は、光励起状態の理解における新たなブレークスルーとして期待される
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