研究課題/領域番号 |
19K21870
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分14:プラズマ学およびその関連分野
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
伊藤 篤史 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (10581051)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | ポテンシャル / 力場 / 分子動力学 / 二体衝突近似 / 密度汎関数理論 / プラズマ物質相互作用 / プラズマ壁相互作用 / シミュレーション / 機械学習 / ポテンシャルモデル / 自動コード生成 |
研究開始時の研究の概要 |
プラズマと固体物質の相互作用では、イオン粒子の衝突により、表面に複雑なナノスケール構造ができる。この現象を理解するには分子動力学シミュレーションが大変有用であるが、相互作用ポテンシャルのモデルが十分に整備されておらず、普及が進まない大きな要因となっている。さらに、プラズマ分野にとって重要な高エネルギー原子衝突まで精度よく扱えるモデルは少ない。本研究では、我々が開発してきた“ポテンシャル関数の数式だけからMDコードを自動生成する技術”を利用して、多くの元素を扱え、かつ、高エネルギー衝突も扱えるユニバーサルなポテンシャルモデルの開発に取り組む。
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研究成果の概要 |
プラズマと物質の界面で起こる諸現象の理解には、分子動力学や二体衝突近似に代表される原子レベルのシミュレーションが大変役に立つ。本研究では、それらのシミュレーションの実行に欠かせない原子間の相互作用を表現するポテンシャルモデルの開発に取り組んだ。(1)ポテンシャル関数の数式から自動的に計算コードを生成するメタコンパイラDAMAによってモデル開発のボトルネックを取り除き(特許第6738087号)、(2)関数探索の教師データとなる密度汎関数理論コードをベクトルプロセッサ向けに高速化し、(3)さらに、高エネルギー衝突領域の二原子間ポテンシャルを解析的に導出することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現実にはポテンシャルモデルは限られた元素の組み合わせに対してしか整備されておらず、原子レベルシミュレーションの普及の妨げの一因であった。本研究では元素に普遍的(Z-universal)なモデルの開発を提唱しており、それを具体的に行うフレームワームを提案した。特に研究開始時には想定していなかった二原子間の高エネルギー衝突向けポテンシャルを単なるフィッティングではなく、高精度かつ解析的に導出した関数として提唱できたことは重要である。なぜならば、世界中で取り組まれているポテンシャル開発において、二体の斥力項として汎用的に利用できるためである。核融合科学・プラズマ応用分野に留まらない貢献が期待される。
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