研究課題/領域番号 |
19K21873
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
日下 暁人 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (20785703)
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研究分担者 |
木内 健司 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (00791071)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | ミリ波望遠鏡 / 量子光学 / 光子相関 / 宇宙マイクロ波背景放射 |
研究開始時の研究の概要 |
ミリ波望遠鏡の検出器アレイにおける光子の強度相関を理論・実験の両面から研究する。次世代の地上宇宙マイクロ波背景放射(CMB)観測実験は、数万から数十万の検出器を擁するミリ波電波望遠鏡群であり、その焦点面に検出器が高密度に配置される。このような実験では光子がボーズ統計に従うことによる強度相関が無視できない。我々は、この効果の大きさを理論的な側面から、特に偏光に注目して算定し、CMB用の検出器を用いた測定による実験的な検証を目指す。そして、この成果から得た新しい示唆をもって、次世代CMB実験の設計に改良を加える。
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研究成果の概要 |
本研究では、ミリ波望遠鏡の検出器アレイにおける光子の強度相関 (Hanbury-Brown & Twiss効果) を理論・実験の両面で研究した。次世代宇宙マイクロ波背景放射(CMB)観測実験であるSimons ObservatoryやCMB-S4実験は、数万から数十万の検出器を擁するミリ波電波望遠鏡群であり、その焦点面に検出器が高密度に配置される。我々は、このような実験で光子がボーズ統計に従うことによる強度相関が無視できないことを指摘した。本研究によりこの効果の計算手法を確立し、ミリ波望遠鏡設計における新たな指針を示した。また、その実証へ向けCMB検出器を用いた相関測定のための開発を行なった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、光の量子力学的な振る舞いの研究を通して、電波望遠鏡の設計に新しい指針を与えるものである。特に、宇宙背景放射と呼ばれるビッグバン直後の宇宙初期から来る「宇宙最古の光」のための観測装置の高度化により、宇宙初期や宇宙の進化の研究に寄与する。また、量子力学が身の回りの比較的よく知られた「望遠鏡」という装置にまで影響を及ぼすことを示すことで、量子力学の応用可能性をより身近なものにまで広げた。
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