研究課題/領域番号 |
19K21897
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
長谷川 浩 金沢大学, 物質化学系, 教授 (90253335)
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研究分担者 |
澤井 光 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 助教 (30784962)
三木 理 金沢大学, 機械工学系, 教授 (70373777)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ヒ素 / 有機金属化合物 / 水圏 / 藻類 / スペシエーション分析 |
研究開始時の研究の概要 |
環境中の有機金属化学種は人為起源と捉えられがちであるが、自然サイクルの中で藻類の一次生産によってもσ結合性金属化学種が多く生成する。本研究では、水生植物が「自然水中においてヒ素を有機化し蓄積・放出する作用」と「塩分ストレスに対する浸透圧調節機能という細胞レベルの主要代謝経路」との直接的な繋がりを証明し、特定の水生植物のみが毒性のあるヒ素を有機化したり生体内に蓄積する理由を明らかにする。
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研究成果の概要 |
自然水中における水生生物のヒ素に対する還元・メチル化作用に影響する因子として従来から報告されていた培地中のリン酸イオン濃度、水温に加えて、塩分度との相乗効果を明らかにした。植物プランクトンの種類によって、5価無機ヒ素を生体濃縮する種や、3価無機ヒ素、5価メチルヒ素化学種に変換して放出する種に分類できることが分かった。さらに、同じ植物プランクトンであっても、周囲の塩分度が異なるとヒ素の化学形態変換作用が変化することを世界で初めて見い出した。このように、植物プランクトンのヒ素に関する代謝は、海洋性や淡水性によらず、生物種や塩分度によって多様性を示すことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、生物によるヒ素の有機化を促進する因子として、海水・淡水の水域や生物種の個別研究にとどまることなく、浸透圧調節機能という細胞レベルの主要代謝経路との直接的な繋がりを世界で初めて明らかにした。ヒ素の化学種変換作用について、塩分度、リン酸イオン濃度、水温の環境因子が相乗的に寄与して、生物種による多様性が現れる。自然水中で生成するσ結合性有機金属に関する研究全般において、化学と生物学を融合した新しい学術分野を開拓する成果である。
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