研究課題/領域番号 |
19K21940
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分20:機械力学、ロボティクスおよびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小俣 透 東京工業大学, 工学院, 教授 (10262312)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 知能機械 / 手術ロボット / 知能機械システム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,弦振動を利用した力センシングを組み込んだワイヤ駆動多自由度鉗子を開発する.屈曲関節を駆動するワイヤを利用し,ワイヤに弦振動を発生させ,音の周波数からワイヤ張力を計測することを提案する.空間的制約のある多自由度鉗子にどのように実装するかが研究のポイントである.ワイヤ径よりわずかに大きな単純な穴が固定端になることを利用し,弦加振部を実装する.弦加振部を鉗子先端部と体腔外側に設置する二つの案に関して実機を開発する.鉗子の径はまずda Vinciに採用された8 mmとし,次により細い5 mmとする.
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研究成果の概要 |
本研究では,弦振動によりワイヤ張力を計測することにより,手術ロボット屈曲鉗子の力センシングという難問に挑戦した.提案する方法はワイヤ駆動屈曲鉗子に適用可能であり,回転する突起部によりワイヤを弾いて弦振動させ,ワイヤの振動周波数から張力を推定し,さらに鉗子に加わる外力を推定する。張力計測が可能な試験装置を製作し,計測精度を検証した.また,3自由度屈曲鉗子を開発し,接触力の計測精度を検証した.実用性に関して,ワイヤと突起部の物理的な接触により両者に摩耗が生じる.1回の手術で100万回加振すると仮定し,100万回加振による摩耗を測定したところ,摩耗は十分に少なく実用性に問題ないことを確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腹腔鏡手術などに使われる手術ロボット屈曲鉗子に力センシング機能を付与することが安全で高度な手術の実施のために望まれている.しかし,小型化が難しいこと,著しく過酷な体内環境での使用に耐えられる必要があり,さらに,洗浄滅菌可能であること,頑健であること,低コストであることが要求されるため極めて難しく,依然として未完成である.これまでのほとんどの方法では,力を歪に変換する起歪体を用いているが,壊れやすく高価になることが大きな欠点である.本研究の学術的意義は,起歪体を用いないユニークな方法を提案したことであり,社会的意義は,手術ロボット屈曲鉗子の力センシングという難問の一解決法を示したことである.
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