研究課題/領域番号 |
19K21977
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
加藤 和利 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (10563827)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | テラヘルツ波 / 無線通信 / フォトミキシング / 暗号化通信 / ヘテロダイン検波 / テラヘルツ波発生 / 光電変換デバイス / コヒーレント検波 / 暗号化 / 高セキュリティ / ビームステアリング / セキュア通信 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、高周波電波の特長を利用することで、セキュア性の高い通信原理の検証と、それを実現するための要素デバイスの動作実証を行うものである。本研究代表者が開発してきた、(1)高周波電磁波の発生・位相制御・ビームステアリング、(2)超100GHz領域におけるコヒーレント検波、の成果をもとに考案した、二つの送信機からの電波が重なる位置でのみ信号を受信する方式について、この方式の要素技術である高周波ビーム制御による目標位置での電波の重畳と、二つの電波の空間ミキシングの検証に挑む。
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研究成果の概要 |
本研究は、5Gの機能をさらに高度化したシステムへの適用を想定し、高周波電波の特長の利用によりセキュリティ性向上が可能となる無線通信技術の提案とその検証システム実現を目的とする。本研究のキー技術である、2つのテラヘルツ波による暗号化通信の原理検証実験を行った。実験では、二地点から送信した300GHzと310GHzの2つのテラヘルツ波を空間で20cm伝送した後、それらの電界の和のパワーを検出した。2つのTHz波の重なり部分がHigh levelとして検出されたことから、予想通りに暗号化通信が実現されていることが確認できた。本成果を論文、国際会議で発表し、論文賞など3件を受賞した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、高周波電波が有する指向性を利用し、また電波の一般的な受信法であるヘテロダイン検波法の特長を利用して、二つの電波を用いるという新たなアプローチによりセキュア性の高い無線通信の提案と原理検証を行ったことである。さらにそれを実現するための要素デバイスの動作実証を行ったことである。現在普及が進んでいる5Gあるいはさらに将来のBeyond 5Gにおいては、個人情報保護やセキュアな通信が必須であり、この要件を満たす技術の可能性を示したことに社会的意義がある。
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