研究課題/領域番号 |
19K22012
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分23:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 長岡工業高等専門学校 |
研究代表者 |
村上 祐貴 長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (70509166)
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研究分担者 |
杉原 幸信 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (00824335)
池田 富士雄 長岡工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (30353337)
宮田 真理 長岡工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (50804697)
外山 茂浩 長岡工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (60342507)
上村 健二 長岡工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (80708090)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 左官 / 技能可視化 / 暗黙知 / 技能の可視化 / 技能継承 |
研究開始時の研究の概要 |
左官工における一連の技能獲得までには7~10年を要すると言われており、若手入職者が定着しない要因の一つである。一連の技能獲得までに長い年月が必要な主たる要因は、技能継承プロセスが徒弟的であり「見て覚える」ことにある。左官技能のような複雑な運動の集合に対し、初めから動作全体を模倣し、技能を獲得していくことは極めて難しい。 そこで本研究では、データマイニング手法である自己組織化マップ(SOM)を用いて熟達左官技能者の技能に共通する暗黙知を可視化し、スポーツ科学の運動技能獲得過程を取り入れた科学的トレーニング方法の創生に挑戦する。
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研究成果の概要 |
塗付けおよび均し時に金ゴテに発生する鉛直力、水平力、モーメントを測定可能な計測金ゴテを独自に制作し、左官動作を測定した。その結果、例えば均し時(横方向)においては、壁面に金ゴテが接触した時の角度を維持したままモーメントを加えて動かすこと等の重要な技能が明らかとなった。また、SAP+純水、PVA、Al2O3を用いた練習材料は、調合比1:0.4:0.4がレオロジー測定の上で最もバランスの取れている練習材料の調合割合であることが分かった。さらに左官職人の均し動作を再現するための自動均し機のプロトタイプを制作した。今後、明らかになった左官動作を試作機に組み込むことを予定している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
各種センサーを用いて形式知化された熟達者の技能に基づいて、正しい動作を習得する新たな建設技能継承の可能性を示したことは、スポーツ工学や情報工学を専門とする研究者の参画も予想され、学術的意義は大きい。また、屋内でのクリーンな練習を可能とする吸水性ポリマーを基材とした模擬材料の開発は、練習環境が大きく改善する可能性を秘めている。本研究成果によって徒弟的技能獲得に強い抵抗を示す若者や女性の入職が期待されるとともに今後多くの外国人労働者を受け入れていくことが予想される我が国の建設業や製造業にとって、教育に要する時間を大幅に短縮することができる可能性があり、社会的波及効果は計り知れない。
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