研究課題/領域番号 |
19K22078
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岸本 史直 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (00835738)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 半導体ヘテロ接合 / ナノシート / 酸化タングステン / オレフィンメタセシス / 固体触媒 / 半導体接合 / 炭化水素転換 / オレフィン転換 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、半導体担体と半導体触媒のヘテロ接合界面での電子移動に基づく新たな担体効果の実証に挑戦し、高難度オレフィン変換反応に対する触媒活性の発現・向上を可能とする触媒設計法を開拓する。半導体ヘテロ接合理論をもとに、半導体担体から半導体触媒へと電子が移動する構造を創出する。触媒として原子層厚(~1 nm)の半導体ナノシート触媒を用いれば、ヘテロ接合界面で半導体ナノシート触媒に移動してきた電子は、物質変換反応が起こる触媒表面に容易に到達し、ナノシートの触媒活性を向上させる。特に、電子逆供与モデルに基づく炭素-炭素二重結合の選択的切断が期待でき、高難度オレフィン変換反応を可能にする。
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研究成果の概要 |
本研究では、原子層厚(~1 nm)のタングステン酸化物ナノシートを担体に固定化し、ナノシートの特異な電子状態に基づく触媒反応の実証を目指した。モデルとして、SiO2単結晶基板やn型Si単結晶基板のようなフラットな表面を有する基板を担体として、その上にタングステン酸化物ナノシート触媒を製膜した材料の電子状態評価を行った。X線光電子分光測定およびケルビンプローブフォース顕微鏡観察などによって、ナノシートの電子状態が担体との接合によって変化する様子を定量的に解明した。このタングステン酸ナノシートをSiO2粒子担体に固定化した触媒の、オレフィンメタセシス反応に対する触媒活性を実証することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高難度な化学反応を進行させるために不可欠な固体触媒において、その電子状態は触媒活性に大きな影響を与える。本研究では、異なる2つの物質(触媒)を接合させることで、電子状態を大きく変化させることが可能であることを、高度な測定手法によって実証することに成功した。この触媒が、近年世界的に不足しているプロピレンをエチレンを原料として製造することができるオレフィンメタセシス反応に利用できることを実証した。すなわち、異種物質の接合による電子状態制御によって固体触媒設計が可能であることを新たに開拓した。
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