研究課題/領域番号 |
19K22086
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
井藤 彰 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60345915)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 温熱療法 / 免疫療法 / 磁性ナノ粒子 / 免疫チェックポイント阻害剤 / グリチルリチン / CpG / 免疫チェックポイント阻害 / がん治療 / 腫瘍免疫 / ナノメディシン / マグネタイト / メラノーマ / 免疫チェックポイント阻害薬 |
研究開始時の研究の概要 |
ガン治療において免疫チェックポイント阻害薬と総称される新薬が登場して注目されている。京都大学の本庶教授らは、T細胞の PD-1がガン細胞のPD-L1と結合することでT細胞の細胞障害性を阻害することを見いだした。この免疫チェックポイントを阻害する薬により、T細胞はガン細胞を攻撃することができる。一方、我々は磁性ナノ粒子を交番磁場で発熱させることでガンを加温する温熱療法の開発を行ってきた。磁性ナノ粒子を用いて温熱療法を施すと、抗腫瘍免疫が誘導されることを見いだした。本研究では、磁性ナノテクノロジーで免疫チェックポイント阻害薬の効果を強力に増幅する新規Heat Immunotherapyを創出する。
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研究成果の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬では細胞傷害性T細胞が破壊できる癌細胞の数は限られており 固形腫瘍を治療することは難しい。我々は磁性ナノ粒子が交流磁場で発熱する性質を利用して、熱で癌を破壊する温熱療法の開発を行ってきた。 磁性ナノ粒子を用いた温熱療法は、1)免疫系に認識される腫瘍抗原を体内で大量に産生/放出できること、2)腫瘍組織は温熱療法で破壊して、転移ガンは免疫で排除できることから、免疫チェックポイント阻害薬の弱点を強力に補完した理想的なガン治療が可能になる。本研究では、磁性ナノテクノロジーで免疫チェックポイント阻害薬の効果を強力に増幅する新規Heat Immunotherapyを開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌の死亡数は人口の高齢化を主な要因として増加し続けており、強力な治療法が望まれる。近年、「免疫チェックポイント阻害薬」と総称される新薬が登場し、夢の癌治療薬として注目されているが、免疫療法では固形癌を退縮させることは難しいのが現状である。我々が開発した磁性ナノ粒子を用いた癌温熱療法を、免疫チェックポイント阻害剤の投与と組み合わせることでマウスの系で高い治療効果が得られた。さらに、この組み合わせ療法の効果を増強すべく、抗炎症作用が知られるグリチルリチンの投与および免疫抑制細胞を阻害するCpGの投与の組み合わせにより、劇的に治療効果が高まることを見出したことは、学術的・社会的意義が大きい。
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