研究課題/領域番号 |
19K22095
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 英志 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (90312652)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 鉄ナノ粒子 / 水溶液中合成 / 錯体構造制御 / 低温焼結材料 / 構造材料 |
研究開始時の研究の概要 |
鉄のナノ材料化の問題点(耐酸化性および安価な手法が必須)は、既に我々の技術で解決できた。後は、低温溶融により生成した鉄原子を如何にバルク鉄材料へ拡散させ、強固な接合を形成させるのか、という問題を解決すれば、低温溶接可能な鉄ナノ材料化を世界に先駆けて作り上げることができる。 そこで本研究では、原料水溶液中において鉄錯体の状態を計算科学を通して制御し、析出した瞬間に表面の還元状態を錯形成で維持することで、粒子径制御された表面酸化物層の無い金属鉄ナノ粒子の水溶液中合成法の開発に挑戦する。更に、融点より十分低い温度で表面清浄化と相互拡散をさせ、構造材として応用すること、を試みる。
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研究成果の概要 |
水溶液中における鉄錯体の存在(酸化還元含む)状態のpH依存性を、錯生成定数を用いた計算と機器分析(ESI-TOF-MSなど)にて制御することで、還元反応速度を電位により制御することが可能であり、その結果として粒子径をナノレベルで制御可能であることを明らかとした。 ここで、合成した粒子の表面が清浄であることが、その接合状態に大きく影響する。そこで、粒子の独立性と表面清浄性を制御する手法を開発した。水溶液中合成における表面を腐食する最も大きい原因である酸化を、水溶液中に電位を水素飽和を用いて制御する手法を開発した。その結果、表面が清浄な鉄ナノ粒子が合成可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々の生活の基盤である鉄のナノ材料が出来れば、融点より十分低い低温で構造材を接合可能となり、産業構造を大きく変えうる。しかしながら、広く知られているように、鉄のナノ材料化は達成されていない。これは鉄は酸化しやすくナノ材料化自体が難しいこと、鉄は安価な材料であり高価格となる様な高度な手法を用いた材料開発では実用化は困難、なためである。 そこで、水溶液中での鉄錯体の状態制御を基礎とした金属鉄ナノ粒子の粒子径制御法を構築した。溶融時の鉄元素を構造材内部へと拡散させ接合させるための技術開発を行うことで、低温溶融・接合が可能な金属鉄ナノ粒子ペースト材料を世界に先駆けて開発するための要素技術を解明した。
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