研究課題/領域番号 |
19K22108
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
筒井 真楠 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50546596)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | ナノポア / 電気穿孔 / 1細胞解析 / 電気泳動 / イオン電流 / ナノ流体 / 1粒子検出 / 1粒子ダイナミクス / 1細胞 / MEMS |
研究開始時の研究の概要 |
ナノポア法は、タンパク質、DNAや小胞などの細胞内物質を1粒子・分子レベルで解析する手法として、国内外でその研究開発が急速に進められている。しかしナノポア法では、粒子が細孔を通過しない限り検出されないことから、多数細胞の内容物質を抽出・分離・濃縮する、あるいはPCR増幅等の前処理をして、ナノポア近傍に測定対象粒子が高濃度で存在する状況を整えることが必須となるこのため、ナノポア法による1細胞分析は、未だ実現できていない。そこで本研究では、ナノポアトラップ法とマルチポア技術を融合させることで、1細胞内の生体物質を1粒子レベルで検出できる新規ナノポア法を創成する。
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研究成果の概要 |
本研究では、電子線リソグラフィー等の微細加工技術を用いて、固体ナノポアとマルチポアを3次元的に集積させた積層集積ナノポアを作製した。そしてこれを用いて、1個の大腸菌の細胞膜を、マルチポア部に生じさせた強電場により破壊し、マルチポアよりも小さな細胞内物質だけを、ナノポア部に通すことに成功した。さらに、得られたイオン電流信号波形を解析したところ、大腸菌内のリボソームやDNAが検出されていたことを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で創成した積層集積ナノポアによる1細胞内物質分析法は、細孔サイズ如何でDNAから細胞小器官まであらゆる細胞内粒子・分子の解析が可能な原理を有する。今後、当該技術が医療分野などで広く応用されることで、ハイスループット且つ超高感度な細胞診が実現でき、早期がん診断、ひいては遺伝子レベルの治療法の可能性を拓くことができると期待される。
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