研究課題/領域番号 |
19K22130
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
服部 賢 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (00222216)
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研究分担者 |
桃野 浩樹 米子工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (40882527)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 電子制御 / 会合脱離反応 / MOS構造 / 吸着分子 / ゲート電圧 / 表面吸着分子 / 会合反応 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、金属層/酸化膜/半導体(MOS)デバイスでの『触媒化学反応の電子制御』実現のため、「MOS表面上の吸着分子の電子励起による会合反応を実証する」ことを目的としています。 会合反応には活性化障壁があり通常、熱エネルギーで障壁を乗り越えます。熱ではなく、【ゲート電圧印加時に酸化膜をトンネルして金属層に注入する電子正孔キャリアの】電子励起エネルギーで障壁を乗り越え、化学反応を促進させるのが本研究のアイデアです。 実験では、金属層表面に分子を吸着させ、ゲート電圧印加時に会合反応を通して脱離する異分子を質量分析計で捉えます。
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研究成果の概要 |
本研究では、コンピューター等に入っているシリコン半導体デバイスの基本機能を、化学分子反応に展開することに挑戦しました。本研究のアイデアは、半導体中を流れる電子(または正孔)のエネルギー利用して、表面に吸着した気体分子の会合反応や脱離反応を起こさせようというものです。 本研究では、金属/酸化物/半導体の積層構造を作製し、積層構造の両端への電圧印加で、エネルギーをもつ電子を金属層に注入することにより、金属層表面に吸着会合したガス分子の電子励起脱離反応の誘導に成功しました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、コンピューターに使われるトランジスタ素子を、全く異なる視点で触媒化学反応デバイスに応用できることを示し、言わば、電気電子工学分野と分子化学合成分野を融合した体系の芽を出させた点にあります。また、社会的意義は、今までの熱反応を利用した分子合成ではできない複雑で貴重な分子を、電子励起という非熱平衡アプローチで製造し得ることを示した点で、分子の化学反応を制御する夢の触媒シリコンデバイスを目指す初端と位置付けられます。
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