研究課題/領域番号 |
19K22169
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中澤 康浩 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (60222163)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 赤外線イメージング / 微小試料 / 熱容量 / 熱伝導 / 熱容量測定 / マッピング / 分子性化合物 / 非平衡性 / 熱力学量 / イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
非接触な温度計測と極微空間での温度マッピングが可能な、赤外線イメージング法と従来型の熱的測定法の利点を組み合わせ、10-100μg程度の極微単結晶一個を用いて、従来型の断熱法、緩和法と同程度の感度をもつ極微量熱容量測定を実現する。さらに、温度分布、温度勾配を非接触で検出することで、熱伝導や熱起電力との同時測定、電場、電流等の外場印加下での各種熱的計測の達成を目指す。複雑な組成をもつ分子の複合成分系である電荷移動塩の各種の新材料、ナノ構造体の単結晶を使って、エントロピー、エンタルピーの絶対値を伴う議論を可能にし、物性科学に新しい展開を開く。
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研究成果の概要 |
本研究では、非接触な温度計測である赤外線イメージング法を使って、分子性物質の微小単結晶の総合的な熱測定開発を行った。極微サイズの緩和型セル、断熱型用の極小容器を作成し、表面を黒色化し反射を抑制したセルを作成した。極細クロメル線(外径13μm)をリード線に用い、熱浴からセルへの熱流入を最低限に抑制した。これらのセル部を赤外線カメラで観測するためGe窓を作った真空チェンバーの中に設置し、温度計の直接計測とイメージングのデータを比較してイメージングデータを使った熱容量計測を進めた。さらに温度変化の過程を、セル上の様々な位置における温度分布を含めて多次元的にデータ化し、熱計測の信頼性を検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱的な考察は、新物質の性質の理解や、新物性の発現のためのスタート地点を与える。複雑な組成をもつ分子や原子の多成分系である各種の新材料、ナノ構造体では合成条件の問題もあり極微量試料しか得られないことが多い。本研究で、おこなった非接触法を用いて、10-100μg程度の極微単結晶を対象に、多角的な熱測定をこれまで測定が困難な多くの物質の熱計測を可能にし、熱力学的な議論を行うために重要なステップになる。熱測定の汎用化、ダウンサイズ化、高精度化は新物質開発、材料開発と並行して常に求められるものであり、本研究は、その展開に大きな波及効果を与える。
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