研究課題/領域番号 |
19K22178
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
林 雄二郎 東北大学, 理学研究科, 教授 (00198863)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 不斉合成 / 有機触媒 / ドミノ反応 / エナンチオスイッチング / 鏡像異性体 / エナンチオ・ダイバージェント / キラル合成 / 不斉触媒反応 / キラリティー |
研究開始時の研究の概要 |
単一の絶対立体配置を有する触媒を用いて、分子の両対掌体をそれぞれ高選択的に合成するエナンチオスイッチングという現象の多くは、有機金属化合物を触媒に用いた反応である。アキラルな添加剤がキラルな金属触媒に配位し、活性部位が変化し、エナンチオ選択性が逆転すると説明される。4つまでの立体中心の反転例は知られているが、5つ以上の立体中心の反転例は知られていない。また、そのような現象が起こりうる反応系を設計する事も、現在の有機化学の知識では困難である。ステロイド誘導体の合成検討中、偶然にも連続する5つの不斉中心のエナンチオスイッチングが起こるという萌芽的知見を見出したが、本研究ではその原理を明らかにする。
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研究成果の概要 |
ステロイド中間体の合成の際に、同一の不斉有機触媒を用い、用いる反応溶媒、添加する水の量を変えることにより、両鏡像異性体が高い光学収率で生成するエナンチオスイッチング現象を見出した。また、有機触媒を利用して合成した中心不斉を有する化合物に対し、中心不斉を軸不斉に転写する過程で、反応に利用する反応試薬を変えることにより、軸不斉化合物の両鏡像異性体が高い光学収率で得られるエナンチオダイバージェント現象を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
キラルな光学活性化合物を得る優れた手法の一つが不斉触媒反応である。鏡像異性体を合成する時は、逆の絶対配置を有する触媒を用いるのが常識である。これに対し、希少な例ではあるが反応条件を変化させることで、同じ鏡像異性体を触媒として用いても、反対の鏡像異性体が得られる現象(エナンチオスイッチング)が知られている。光学活性化合物には、他方の鏡像異性体の入手が困難な化合物も多い。同一の絶対立体配置を有する化合物が不斉触媒として作用し、両鏡像異性体を高い光学純度で得ることができれば、学術的、社会的な意義が大きい。今回、このような触媒および反応を見出した。
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