研究課題/領域番号 |
19K22203
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分34:無機・錯体化学、分析化学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
久米 晶子 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (30431894)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | CuAAC / 選択性 / 自己触媒 / 電位制御 / 非対称変換 / トリガー / 選択的CuAAC / 負の速度効果 / ロック機構 / 触媒サイクル / 電気信号 / 酸化還元 |
研究開始時の研究の概要 |
核酸やペプチドでは、比較的少ない数の分子ブロックを、数と種類を決めて連結することで莫大な情報伝達や多様な機能を発現することができる。このような分子の人工合成はマクロな反応溶液の添加と精製作業を繰り返すことで行われてきた。一般的に触媒反応は一定の反応条件下で無制限、統計的にサイクルを繰り返すと考えられてきたが、本研究ではCu触媒中心に対して直接電気信号を送り込むことで、1段階ずつの触媒サイクルを回転させるトリガー機構を達成し、上記の決まった数の分子連結のツールとして提案する。
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研究成果の概要 |
等価な二つのエチニル基を有するフェナントロリンを代表的なClick反応であるCuAAC反応で片側のエチニル基のみを選択的に反応できることを見出した。この反応は抑制効果と自触媒効果の両方を示す特異な速度依存を示し、分子内の金属のトラップと、脱離したCu中心が関与する複核過程が関与することが分かった。また、この反応が進行するに伴い溶液の開放電圧は負側にシフトし、電気刺激によってCuAACの進行を片側反応で制御しうることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CuAAC反応は2002年の報告以来、大気中室温、水中でも選択的に進行することから極めて急速に応用が進んだ一方、適用範囲が広いため複数の反応点を制御して進行させることが難しい。本研究では、共有結合で組み立てた立体要因ではなく、配位構造で組み上げた等価なエチニル基の反応が経路選択的に進行し、またその制御要因を明らかにした。また、電気刺激で選択的反応を制御できる根拠を示した。これらは今後実際に選択反応を電気化学的に制御したデータを採取することで触媒反応をワンクリックごとに進行できる初めての実証例とする予定である。
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