研究課題/領域番号 |
19K22219
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
井原 栄治 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (90243592)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | ジアゾ酢酸エステル / ポリ(置換メチレン) / 末端官能化 / ブロック共重合体 / 機能性高分子 / マルチブロックポリマー / 末端官能基化 / パラジウム錯体 / ポリマー末端官能化 / 連鎖移動反応 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者が独自に開発してきたPd錯体を開始剤とするジアゾ酢酸エステルの重合により、各種の置換基が主鎖周囲に集積した剛直なシリンダー状で分子量の揃ったポリ(置換メチレン)ブロックを合成し、これを連結する構造の明確なマルチブロック・ポリ(置換メチレン)の合成手法の確立を目的とする。本研究計画では、各種の置換基を有する分子量の揃ったポリ(置換メチレン)の末端にアジド基、プロパルギル基を導入し、それらの逐次的なクリック反応による構造の明確なポリマー合成法の確立を目指す。得られるポリマーは、用いる官能基の選択とブロック配列の制御によって、機能性高分子材料の開発への応用が期待できる。
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研究成果の概要 |
ジアゾ酢酸エステルの重合により得られるポリ(置換メチレン)の末端に、定量的に官能基を導入する手法を確立した。重合溶媒として用いるTHFとポリマー成長末端との停止反応により停止末端に、そして水を連鎖移動剤として用いる重合により開始末端に、それぞれ水酸基を定量的に導入することに成功した。 マルチブロックポリ(置換メチレン)合成のための、これらの水酸基のアジド基への変換は期待通りには進行しなかったが、今後もその実現を目指した検討を継続する。これらの水酸基からのラクチドの開環重合による、ポリ(置換メチレン)とポリラクチドのブロック共重合体の合成が可能であることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ジアゾ酢酸エステルの重合によるポリ(置換メチレン)の合成は、炭素ー炭素結合を主鎖骨格とする高分子の新しい合成法として注目されている。この重合により得られるポリマーの末端に官能基を定量的に導入する手法の開発は、新しい機能性高分子の合成のための基礎研究として極めて重要である。今回、ポリ(置換メチレン)の開始および停止末端への水酸基の定量的な導入法の開発に成功した。その水酸基のアジド基への変換は期待通りには進行しなかったが、本研究を継続して工業的にも有用な新しい機能性高分子材料を開発することにより、社会に貢献することができる。
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