研究課題/領域番号 |
19K22240
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
坂口 和靖 北海道大学, 理学研究院, 教授 (00315053)
|
研究分担者 |
鎌田 瑠泉 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (40750881)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | ポリペプチド / ストレス / 翻訳 / コーディング / 抗菌活性 / r-Peptide仮説 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、rRNAが遺伝子情報を内在的にコードし、生存危機回避などの特殊な状況においてポリペプチドに翻訳されるという仮説の下、原核生物が生存危機環境における自己防衛のために、生命維持に必須で膨大に発現しているrRNA配列由来のポリペプチド(r-peptide)の同定を目指す。また、同定されたr-peptideあるいは推定r-peptideの危機防御における機能解析を行う。このために、生存危機刺激下でのLC-MS/MSによる大腸菌r-peptideの同定、同定あるいは推定r-peptideの機能およびその機構の解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
近年、抗生剤の重要性が医学的・社会的にますます大きくなっている。本研究では、ノンコーディングRNAとされている原核生物リボソームRNA(rRNA)が遺伝子情報を内在的にコードし、生存危機回避などの特殊な状況においてポリペプチドに翻訳されるという『r-Peptide』仮説の解明を目指し、rRNA配列由来のポリペプチド(r-peptide)の同定と機能について研究を実施した。バイオインフォマティクス解析より得られたr-peptideが特異的な抗-抗菌活性を有し、その作用機序モデルを示した。さらに、質量分析解析により、抗生物質存在下において酸化型r-peptideの発現が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、大腸菌の危機状態対応への進化の解明として大きな意味を持つばかりでなく、医療に対しても極めて重要な意義を持つ。本研究により、原核生物の危機回避メカニズムが解明され、この新規メカニズムに基づいた、全く新しいタイプの抗生物質の開発への展開も期待される。 さらに、本研究は、タンパク質をコードしないノンコーディングRNAとされているrRNAが、特定の条件下で翻訳され機能性ポリペプチドを発現するという、生命科学・分子生物学のセントラルドグマの拡張も示すこととなった。
|