研究課題/領域番号 |
19K22257
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村田 道雄 大阪大学, 理学研究科, 教授 (40183652)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
|
キーワード | 脂質ラフト / アシル化タンパク質 / 翻訳後修飾 / 境界脂質 / マイクロドメイン / ガングリオシド / GPIアンカー |
研究開始時の研究の概要 |
細胞膜を介した情報伝達を担う脂質ラフトは、特定の脂質が集合したドメインと考えられているが、脂質修飾タンパク質や糖脂質などの脂質部位が少量結合することがラフト形成に大きな影響を及ぼす例が知られるようになった。しかし、ドメイン形成における微量脂質の役割に注目した研究例はごく僅かである。本研究では、Glycosyl-phosphatidyl-inositol (GPI)アンカータンパク質や脂肪酸修飾タンパク質などの脂質部位が膜に結合することによって生じる脂質ラフト・ドメイン構造に焦点を絞り、これらタンパク質の脂質部位のモデル化合物を用いて、そのメカニズムを解明することを目的とする。
|
研究成果の概要 |
本萌芽的研究では、化学的手法によって生体膜のドメイン形成におけるタンパク質の脂質アンカーや微量脂質の役割を調べた。生体膜に生ずる脂質ラフトなどのドメインでは、微量脂質が未知のメカニズムでドメイン形成を惹起することも知られているが、化学的研究例はわずかである。本研究では、この例として、タンパク質キナーゼであるLynのN末端付近に導入された2つのアシル鎖が脂質膜に結合する場合、ドメイン形成に関して数モル%しか存在しない希少脂質が影響を与える場合、この2例についてモデル脂質二重膜を用いてアシル鎖や希少脂質の運動性を詳細に測定した。その結果、アシル鎖の運動性とドメイン形成について興味深い結果を得た。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
翻訳後修飾によってタンパク質に導入された少数のアシル鎖や数モル%しか存在しない希少脂質がドメイン形成など膜の相状態に与える影響については、今まで精密な測定がなされていなかった。本研究では、2本のアシル鎖が結合したタンパク質キナーゼLyn、および糖鎖を有する希少脂質に着目して、膜物性に与える影響を明らかにすることができた。すなわち、学術的意義としては、生物・医学分野で盛んに行われている生体モデル膜系の実験において、希少脂質の影響が無視できないことを定量的に示めすことによって、膜組成を決める上での指針をある程度示すことが出来たと考えている。
|