研究課題/領域番号 |
19K22309
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
宅見 薫雄 神戸大学, 農学研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2019 – 2020
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研究課題ステータス |
交付 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 生殖隔離 / 染色体脱落 / トランスクリプトーム解析 / エピジェネティック修飾 / 合成倍数体 / 異質倍数性進化 / ヒストン修飾 / 合成パンコムギ / ゲノムショック |
研究開始時の研究の概要 |
異質倍数体の作物では近縁野生種の有用遺伝子を作物育種に効果的に利用するため、種間交雑を介して両親の染色体セットを併せ持つ「合成倍数体」が中間体として利用される。しかし、異質倍数化の過程でゲノムの再編成やクロマチン修飾の再構成が行われることが多々ある。また現在のところ、クロマチン修飾の違いが実際に同一の遺伝子型をもつ合成倍数体系統の表現型の差異を生み出すという明確なデータはない。そこで、マカロニコムギにタルホコムギを交雑して得られた合成6倍体で、同一交雑組み合わせに由来し表現型が異なる系統を材料に、クロマチンのエピジェネティック修飾の違いが転写産物のプロファイルの違いに関係するかを検討する。
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研究実績の概要 |
異質倍数体の作物では近縁野生種の有用遺伝子を作物育種に効果的に利用するため、種間交雑を介して両親の染色体セットを併せ持つ「合成倍数体」が中間体として利用される。しかし、異質倍数化の過程でゲノムの再編成やクロマチン修飾の再構成が行われることが多々ある。また現在のところ、クロマチン修飾の違いが実際に同一の遺伝子型をもつ合成倍数体系統の表現型の差異を生み出すという明確なデータはない。そこで、マカロニコムギにタルホコムギを交雑して得られた合成6倍体で、同一交雑組み合わせに由来し表現型が異なる系統を材料に、クロマチンのエピジェネティック修飾の違いが転写産物のプロファイルの違いに関係するかを検討するのが本研究の目的である。 同一交雑組み合わせに由来するAABBDDゲノムを有する合成パンコムギ2系統Syn6256-16とSyn6256-12を解析に用いた。2年間の圃場における調査によって、合成パンコムギ2系統後代の圃場での表現型は明確に異なっていた。RNA-seq解析を行ったところ、生育不全が認められたSyn6256-12では4B染色体に大きな欠失が見出された。さらにSyn6256-12の後代には1B染色体上にも欠失が見出された個体がいくつか存在することが明らかになった。すなわち、生育不良を示す系統では染色体上に新規の欠失が生じている可能性が高く、そのような個体の後代ではさらに新たな欠失が生じる可能性が高いことが示唆された。Syn6256-16よりSyn6256-12で遺伝子発現量が減少した遺伝子についてGO解析をしたところ、タンパク質の合成、光合成に関連する遺伝子が多く含まれていた。Syn6256-12の生育不全は、様々な機能を担うタンパク質の合成や光合成の働きが損なわれることによって生じたことが示唆された。根端をwhole mountでCENH3me2, H3K9me2抗体により免疫染色し、蛍光顕微鏡でヒストン修飾を解析したが、Syn6256-16とSyn6256-12の間で顕著な違いを見出すことはできなかった。
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