研究課題/領域番号 |
19K22338
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分40:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
阪倉 良孝 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 教授 (20325682)
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研究分担者 |
山崎 渉 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (50598696)
角田 哲也 大島商船高等専門学校, 商船学科, 教授 (00163056)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 種苗生産 / 海産魚 / 仔魚 / 小型水槽 / 流場 / 流体力学 |
研究開始時の研究の概要 |
汎用小型水槽で,仔魚の沈降死を少なくし,生残と成長を高める流場の形成によって,安定した仔魚飼育を誰でもできるという技法の開発を行う。汎用小型水槽とは,数リットル容のビーカーのような円筒形水槽に加え,底面が長方形の水槽や,近年ウナギやイセエビの幼生飼育で成果の上がってきているドラム型水槽(いわゆるクライゼル水槽)である。これらの異なる形状の小型水槽で,通気装置の位置と通気量を変えて異なる流場を形成し,難種苗生産魚種や卵数が少なく飼育の難しい観賞魚で仔魚飼育実験を実施し,仔魚の行動,生残・成長を定量する。次に,飼育水槽内の流れを定量・可視化し,仔魚飼育成績の高い流場を再現できるモデルを構築する。
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研究成果の概要 |
小型水槽で海産仔魚飼育を実現するために,流体力学と生物科学を統合して,小型水槽での海産仔魚飼育のための条件を可視化・定量した。50 Lの水量では水槽の形状によらず,水槽底中央に通気装置を1個おき,通気量を100 mL/minにする。クロマグロのような沈降死を起こす魚種については,矩形水槽ではなく円筒形水槽が推奨される。10 L未満の水量には改良型クライゼル水槽が推奨される(通気量15-150 mL/min)。ただし,いずれの場合も水表面の流速が速くなるために,仔魚の鰾開腔が阻害される傾向を認めた。今後は,仔魚が鰾開腔のための水面での空気呑み込み行動を誘導する方法を検討する必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海産魚類の種苗生産の効率を上げて高度化するためには,繰り返しを設けた統計学的実験計画に基づく仔魚飼育実験が必要で,数リットルから数十リットルの小型水槽での仔魚飼育を実現しなければならない。本研究によって50Lであれば汎用水槽でも,またさらに小規模でも特殊な形状の小型水槽で海産仔魚飼育を実現することができたことから,その意義は大きいと考える。
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