研究課題/領域番号 |
19K22339
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分40:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
杉本 亮 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 教授 (00533316)
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研究分担者 |
山田 誠 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (50434981)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 海底湧水 / 電気探査 / 熱画像 / ドローン / ラドン / ラジウム / 地下水 / 温度 / UAV / 沿岸域 / トレーサー |
研究開始時の研究の概要 |
沿岸浅海域の生態系はあらゆる面において地下水の影響を強く受けているが、海底湧水は視覚的に捉えることが難しく、その影響範囲も不均一であるため、沿岸生態系への影響評価は遅々として進んでいない。本研究では、地球化学トレーサー手法と遠隔物理探査手法を組み合わせることで、沿岸浅海域におけるSGDの分布や特性を高い空間分解能と識別能力を持って容易に可視化できるハイブリッド観測システムを構築する。
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研究成果の概要 |
海底湧水(SGD)を高感度・高解像度で評価できる観測メソッドを構築することを目的に、異なる探査手法を組み合わせたフィールド調査を実施した。物理探査では、サーモカメラを搭載したドローンと曳航型の電気探査システムを用いることで、SGDの有無やSGDが及ぼす影響の空間的範囲を正確に把握することが可能となった。トレーサー探査では、ラドンとラジウムを組み合わせることで、SGDの成分を水塊レベルで識別し、それぞれの湧出量を定量することが可能となった。特徴の異なる2つのメソッドを順序良く組み合わせることで、SGD情報が一切ない沿岸浅海域においても、SGDの実態把握から影響評価までを行えるメソッドが確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海底湧水が沿岸生態系に果たしている役割は理解され始めている、研究が遅々として進まない要因として、地下水の湧出が目に見えず、SGD情報がない地域での研究を行えないことが挙げられる。今後、SGD情報がないような様々な沿岸海域においても本研究で構築した研究手法を導入すれば、SGD情報を広範囲で詳細に入手することができるようになり、生態系研究が活性化するものと思われる。さらに、沿岸海域のSGDマップを構築すれば、海洋保護区の設定や効果的な種苗放流策などへの応用も可能となる。
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