研究課題/領域番号 |
19K22350
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分41:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
内山 智裕 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (80378322)
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研究分担者 |
森 佳子 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 准教授 (40346375)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 農業経営 / 倒産 / 廃業 / 継承 / 再生 / 清算 / M&A / 信用情報 / 信用調査 / 事例分析 / 事業再生 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の我が国における農業経営は大規模化・高度化が進んでいるが,農業経営が発展するほど倒産リスクも複雑化し,経営安定をめざす財政支援だけでは解決しがたい。 本研究は,農業経営の大規模化・高度化を踏まえた倒産の動態を可能な限り正確に把握し,倒産リスクの低減や経営体質強化の方策を具体的に提言するものである。そして,農業における倒産とは何か,他産業における中小企業の倒産との類似性や特異性は何かといった点を明らかにしつつ,農業における倒産研究という新たな分野を開拓することを研究の意義とする。
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研究成果の概要 |
農業経営が倒産に至る過程、倒産の理由、倒産後の対応を整理し、倒産リスクの低減や倒産後の速やかな経営資源継承の方策を提示すべく、信用調査情報からの接近と事例分析からの接近を試みた。そして、信用調査情報からは、倒産直前期でも一定水準以上の成果を出す法人が一定数存在することなどを明らかにした。また、事例分析からは、①事業継続に向けて、他産業のM&A とは異なり、仲介業者が介在し得ない小規模案件が多数を占めるという農業の特質を踏まえた対応が必要であること、②継承資産の客観的評価が難しい中で関係機関の役割が重要であることなどを指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
農業経営研究が「成功事例」に注目しがちな中で、「失敗事例」とも言える倒産という事象を積極的に取り上げ、その本質に迫ろうとした点に学術的意義がある。当然ながら、「失敗事例」の調査研究は難しく、調査が行えたとしてもその公表が容易でないなど、多くの乗り越えるべき課題があるため、引き続き取り組む必要があると言える。 また、多くの農業経営が後継者難の問題を抱え、少ない担い手に農地が集中する傾向が強まる中、事業再生型の経営継承に新たな知見を加えることで、社会的意義を発揮することが可能となる。
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