研究課題/領域番号 |
19K22370
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
三浦 恭子 熊本大学, 大学院先導機構, 准教授 (80583062)
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研究分担者 |
坊農 秀雅 広島大学, 大学院統合生命科学研究科, 特任教授 (20364789)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ハダカデバネズミ |
研究開始時の研究の概要 |
ハダカデバネズミ(デバ)は、マウスと同等のサイズの、珍しい変温性の最長寿齧歯類である。本研究では、デバ特異的な細胞配置の仕組みと、個体の低代謝・変温性・長寿命の関係性を解析する。
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研究成果の概要 |
ハダカデバネズミ(デバ)は老化・がん化耐性をもつ変温性の最長寿齧歯類であり、基礎代謝も低い。本研究では、デバの組織内の細胞密度が齧歯類内で特異的に低い可能性を検証した。結果、同程度の体サイズであるマウスと比較した場合、デバでは顕著に各種臓器の細胞密度が低いものの、ラットやモルモットと比較した場合では、密度が低いわけではないということが分かった。しかし、解析の過程でデバでは顕著に組織内の免疫細胞数が少ないことを新たに見出し、炎症応答の減弱や発がん耐性に寄与しうる重要な知見を見出すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ハダカデバネズミ(デバ)は低酸素下で広大な地下トンネルを移動・掘削するために、体の大きさに比して基礎代謝を低下させる必要があると考えられる。これを実現するために、体内の細胞密度を低下させて総細胞数を少なくし、変温性になる戦略をとったとすれば、極めて興味深い独特な適応進化の例を提示できうると考えた。本研究ではこの仮説の証明には至らなかったものの、興味深いことに、デバにおいては組織中の単位面積あたりの免疫細胞数が、他種に比べて著しく少ない結果が得られ、デバの炎症特性を規定すると考えられる炎症誘導制御・がん化耐性機構の一端を解明する、非常に新規性の高い成果をあげた。
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