研究課題/領域番号 |
19K22371
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
筏井 宏実 北里大学, 獣医学部, 准教授 (80327460)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 蚊 / 腸内細菌 / 卵形成 / 発生コントロール |
研究開始時の研究の概要 |
現在まで行ってきた蚊と蚊の腸内細菌叢の相互関係の研究において、蚊の腸内細菌叢のバランスを破綻させると、蚊の卵巣形成機能が低下することを見出した。そこで、“抗生物質投与→腸内細菌叢の破綻→特定腸内細菌の増加→卵巣形成機能の低下”の関係が成立すると仮説を立て、蚊の発生コントロール法の開発に向けた検討を行う。 ①蚊の腸内細菌叢の解析:1)各種抗生物質の蚊の卵巣形成に及ぼす影響評価。2)抗生物質投与により卵巣形成能が低下した蚊の腸内細菌叢の解析および主要腸内細菌の分離同定。3)腸内細菌除去蚊への分離菌の再定着および卵巣形成に及ぼす影響評価検討。 ②蚊の卵巣形成の作用機序の解明および応用利用の検討。
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研究成果の概要 |
我々は、抗生物質によってハマダラ蚊の腸内細菌叢のバランスを破綻してある特定の腸内細菌を増加させると、蚊の卵巣形成機能が低下することを見出した。この特定の腸内細菌は環境中の常在菌でもあったことから、この菌を用いた蚊の発生をコントロールすることを最終目標とした。本研究は蚊の腸内細菌叢より卵巣形成機能を低下させる作用がある腸内細菌の同定後にその応用利用の可能性を検討する。さらに、本作用機序を解明することを目的として実施された。研究計画通り、卵巣形成機能を低下作用がある腸内細菌および化合物含有物質を絞り込めた。今後、卵巣形成機能効果を示す化合物の同定、さらなる卵巣形成機能抑制機序の解明が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
蚊を含む節足動物が媒介する感染症は、熱帯、亜熱帯地域を中心として猛威をふるっている。これら感染症のベクター(節足動物)コントロールに用いられる殺虫剤の使用は、広い地域に繰り返し使用される事により抵抗性を持った節足動物種の出現や環境への影響など、様々な問題が出ている。今回の研究によって得られた成果は、ベクターとなる節足動物の卵巣形成機能を低下させて繁殖をコントロールする戦略を立てることが可能となる。さらに、害虫防除や様々な節足動物媒介性の感染症研究などの観点からも既存の殺虫剤が抱える問題を克服しうる点は、本研究成果の波及効果について非常に高いものであると考えられる。
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