研究課題/領域番号 |
19K22378
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
深谷 雄志 東京大学, 定量生命科学研究所, 准教授 (00786163)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / オプトジェネティクス / ライブイメージング / 転写 / ゲノム編集 / プロテインノックダウン / ゲノム構造 / ショウジョウバエ初期胚 / 転写制御 / デグロン |
研究開始時の研究の概要 |
2005年に初めて報告されたオプトジェネティクス技術は光によって神経細胞の活性を自在に操作することを可能にし、神経科学に革新をもたらした。本研究計画では、既存の枠組みを超えて生命科学の全分野に応用可能な新規オプトジェネティク技術を創出し、生体内のあらゆるタンパク質機能を光によって操作する革新的手法の実現に挑む。さらに本技術を個体レベルに応用し、光によって発生運命を自在操作する世界的にも前例のない独創的手法へと発展させる。このことにより従来手法の技術的限界を突破し、生命科学の飛躍的発展を大きく促進する技術基盤を創出する。
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研究成果の概要 |
本研究では光依存的かつ発生段階特異的に標的タンパク質の機能を阻害する新規実験系の開発に取り組んだ。その結果、CRY2のオリゴマー化を介した異常凝集の誘導が、Bicoidなどの特定の転写因子の機能阻害に有効であることが明らかとなった。一方で、iLID-SspBシステムを介したタンパク質分解や、LINX/LEXYなどの光依存的な核外排出による機能阻害は、標的因子の特性に応じた最適化が必要であることが明らかとなった。本研究を通じて確立されたゲノム編集技術を応用することで、転写制御における高次ゲノム構造の機能解明や、転写バースト制御メカニズムの解明について大きな進展が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、近年精力的に開発されている光操作技術の実用性をショウジョウバエ個体レベルで多角的に検証した。その結果、培養細胞レベルでの解析で広く用いられてきた手法を個体レベルで応用するためには、標的タンパク質の特性に応じた最適化が必要であることが強く示唆された。本研究によって明らかとされた、転写制御における高次ゲノム構造の機能については、近年のHi-C解析などに明とされてきたTAD構造の生物学的意義を理解する上で重要な知見となる。また転写バーストを介した遺伝子発現の時空間的なパターン形成メカニズムの理解は、個体発生におけるゲノム機能を理解する上で重要な成果である。
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