研究課題/領域番号 |
19K22382
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
老木 成稔 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 特命教授 (10185176)
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研究分担者 |
岩本 真幸 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (40452122)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | イオンチャネル / 脂質2重膜 / 再構成膜 / 膜張力 / 膜脂質 / contact bubble bilayer / 膜物性 / 接触バブル2重膜法 / 脂質二重膜 / in vitro転写翻訳 / 機械受容チャネル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は人工細胞膜をデザインし、組み立て、実際に稼働させることを通して、生体膜のシステムとしての成り立ち・機構を解明することである。そしてそのための新しい実験プラットフォームを確立することである。私達は従来の細胞膜に対する分析的アプローチとは逆の合成的アプローチを確立することを着想した。ここで言う人工細胞膜は、細胞膜の特定の機能に焦点をあて、その本質的な要素を抽出して再構成し、機能をもった人工細胞膜を作ることである。本研究では膜を取り扱う要素技術として私達が開発した新しい2つの方法(再構成膜法とin vitro膜蛋白質発現法)使って「膜を対象とした合成生物学」を目指す。
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研究成果の概要 |
生体膜は液体性とモザイク性をあわせもつ極めて複雑な存在である。この複雑系上で起こる膜蛋白質の活動は膜との相互作用が不可欠であるが、生体膜をそのまま実験対象にすると複雑すぎて捉えどころがない。そこで生体膜機能の最小機能要素である脂質2重膜と膜蛋白質(その中で最も理解が進んでいるイオンチャネル)を対象に、再構成膜実験系を確立した。膜の化学的組成を急速に変え、膜張力など物理的特性を変え、それを精密に測定しつつ、チャネル活性の変化を捉える実験が可能になった。従来、KcsAカリウムチャネルを主に対象としてきたが、この方法によって様々なチャネルに対する実験が効率よくできることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昨年のノーベル医学生理学賞が機械受容チャネルに対してであったように、最近、膜の力学的刺激に応答するチャネルの研究が広く行われている。構造生物学などの進歩により複雑なチャネル構造が明らかになりつつある一方、機能測定に関しては方法的限界が広く知られているにもかかわらずパッチクランプ法が未だ主な方法となっている。私達が開発したContact Bubble Bilayer法は膜張力などの定量的測定が可能であるので、パッチクランプ法に代わって広く使われることが期待される。実際、世界の数か所の研究室が導入し成果が出始めている。
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