研究課題/領域番号 |
19K22392
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永野 隆 大阪大学, 蛋白質研究所, 招へい教授 (70272854)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 非対称細胞分裂 / 染色分体 / エピジェネティクス / エピジェネティックス |
研究開始時の研究の概要 |
多細胞生物では、非対称細胞分裂は発生過程のみならず成体や癌組織において幹細胞が自らの集団を維持しつつ分化細胞を生み出す重要な役割を担う。一般に、細胞分裂後に娘細胞に継承される姉妹染色分体のエピジェネティック修飾は、細胞分裂前にDNA複製に引き続いて親細胞内の姉妹染色分体上で形成が始まる。しかし塩基配列が完全に同じ1対の姉妹染色分体を親細胞内で鑑別してエピジェネティック修飾を解析する方法は存在せず、エピジェネティック修飾の非対称性が非対称細胞分裂に先立って親細胞内で形成されるのか細胞分裂後に形成されるのかに関しては調べる方法がない。本研究はそこに道を拓く方法を新たに開発しようとするものである。
|
研究成果の概要 |
多細胞生物の個体を構成する多種多様な細胞はどれもほぼ同じゲノム情報を持つが、各細胞種に特異的なエピゲノム情報の働きでゲノム情報の使い方を細胞種ごとに変え、細胞の多様性を実現している。しかし細胞が増殖して新たな種類の細胞を生み出す際、新たな細胞種に応じたエピゲノム情報が細胞分裂前から準備されるのか、新たなエピゲノム情報は細胞分裂後に用意されるのかは、調べる方法がないため分かっていなかった。本研究はそのための方法を開発するために行われた。技術の完成には未だ至っていないが、これまで技術開発が難しかった要因である、DNA配列が同じ一対の姉妹染色分体を分裂前細胞内で鑑別標識する手法を見出すことができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1個の受精卵からスタートした私達の細胞はエピゲノム情報を頼りに人体を作り上げ、疾患や老化などにおいてもエピゲノム情報の異常が関わっていることが分かっている。従って、細胞が増える際にエピゲノム情報が適切に継承されるメカニズムを知ることには大きな意義がある。特に新たな種類の細胞が生まれる際にはそれに対応する新たなエピゲノム情報が必要なので、それがどのように作られるのかはとりわけ重要である。本研究の成果は、そのメカニズムを調べるための新たな技術に必要な知識であり、今後の研究の礎となるものである。
|