研究課題/領域番号 |
19K22409
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
昆 泰寛 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (10178402)
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研究分担者 |
エレワ ヤセル 北海道大学, 獣医学研究院, 助教 (30782221)
市居 修 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (60547769)
中村 鉄平 北海道大学, 獣医学研究院, 客員研究員 (80786773)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | MRL/MpJ / 精巣内卵細胞 / 分離法 / 精巣 / 曲精細管 / 培養 / 卵巣 / マウス / 卵細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
一般常識として、雄は精子を作り、雌は卵子を作る。しかし、遺伝的な性とは異なる形態的な性を獲得する場合もある。正常動物においても雄が卵子を作るメカニズムが潜在し、受精卵となる可能性を秘める。本研究の目的は、精子形成細胞が卵細胞に形質転換する(アダムからイブを作り出す)機構を発見・発展させ、オスゲノムのみによる個体の作出に挑戦する。 我々の研究は、人のXYY症候群(スーパー男子)のモデルを作り出す挑戦的研究と言える。オスゲノムのみを用いた極希少動物個体を作出することが可能となる。さらに生殖幹細胞のカスタム化にも応用し、オスの良質形質を維持した産業動物の創出が芽生える。
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研究成果の概要 |
精巣に出現する卵細胞の意義を解明する、すなわち精子形成細胞が卵細胞に形質転換する機構を検証し、ついには雄ゲノムのみによる個体の作出に挑戦する。本研究では、MRL/MpJマウスの精巣に出現する卵母細胞の分離法を検討し、効率良くかつ形態も保持されたより多くの精巣内卵母細胞を回収する方法を模索した。精巣内卵細胞は用手法で最も効率よく分離され、その形態も維持された。一方、精巣内卵細胞と卵巣内卵細胞の機能的差異の考察や培養法の更なる検討が必要だと考えられた。本研究を発展させることで精巣内卵細胞の受精能や胚発生能が明らかとなり、動物の繁殖、特に家畜産生、生殖工学や希少動物個体保護等に応用されることを望む。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MRL/MpJマウスの生殖腺は特異な表現型を示し、精母細胞の減数分裂中期特異的アポトーシス、実験的停留精巣における精母細胞の熱ショック耐性、新生子卵巣における多数の肥満細胞の存在、さらに新生子精巣における精巣内卵母細胞の出現が報告されている。一方、MRL/MpJマウス精巣内卵母細胞は少数であり、精巣から卵母細胞を分離することは困難であるため、精巣内卵母細胞の受精および胚発生の機能は不明である。MRL/MpJマウス精巣内卵母細胞の解析を通じた雄個体由来雌性配偶子の機能解明は、哺乳類における単為生殖、さらにはその繁殖工学への応用など、獣医学の更なる発展に繋がる。
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